「やりたいことが見つからない」は多数派?
実は私も、自分がされた「やりたいことは何ですか?」といった質問を、他者に対して頻繁に行っています。
採用面接の場面では「当社に入社してどんなことがやりたいですか?」「5年後に何をしていたいですか?」「どんな仕事がしたいですか?」「どんな組織で活躍したいですか?」といった「やりたいこと」を問いかけていますし、社員面談でも「何かやりたいことはないの?」という問いかけをしています。
ですが、これらの質問にうまく答えられる応募者や社員は、過去を思い起こしてみると極めて少ないというのが実態でした。
「なんだ、やりたいことないのか?」私のその時々の感想もネガティブなものになりがちです。
年齢が50代になり「オジサン」の領域に入ったから言うわけではありませんが、この「やりたいことがない」「やりたいことが見つからない」という方が私の周囲に限らず世間一般にもきっと多いのだろうと思っています。
なぜなのでしょうか?
いくつか誤解や間違いがあるのだと思います。
もし、このコラムでここから記載することが、「やりたいこと」が見つからない方のお役に立てば、と思って少し辛口で書いてみたいと思います。
こんなにもある、思考を呪縛する“思い込み”
「やりたいこと」が見つからない方の誤解や間違いとそれに対する私なりの見解を列挙してみると・・・
「一生続けられることでなければならない」と思い込んでいる
- この変化の激しい時代に一つのことに固執するのはリスクです。
- 5年、10年単位でさっと方向転換すべきですから、あまり「一生」というスパンで考えてしまわないこと。
「やりたいこと」とは運命的に出会うと思い込んでいる
- やりたいことを探しても見つかりません、時間の無駄です。
- 「気が付く」とか「育てる」ものだと考えましょう。
「やりたいこと」を見つけるには多くの情報を集めるしかないと思い込んでいる
- 十分すぎるほどの情報に溢れている時代です。
- むしろ手を広げずに「自分を理解する」ことが大事だと思います。
- 「やりたいこと」がわからないのは選択肢が多すぎるからであるともいえます。
「やりたいこと」では、安定して食べていけるわけがないと思い込んでいる
- 実現する手段とセットにして考えてしまうと、ハードルが一気に高くなります。
- この時代、実現手段は無数にある、あるいは、何とかなる、くらいの気構えや前提で考えてみましょう。
「メリット」「デメリット」(得か損か)を「やりたいこと」の判断に入れてしまっている
- 今メリットがあっても数年後にはそうとは限りません。
- メリットで動いてしまっては、メリットが薄れたときに続けられなくなりますね。
「どうしたいか」ではなく「どうすべきか」で考えてしまっている
- 「将来が不安だ」という方に多いのですが、「どうすべきか」という問いに対する絶対的な答えなんて誰も持っていないハズです。
「自分の得意なこと」を理解していない
- 苦手なことをやっても疲れるだけです。
- 得意なことをやれば楽しく、かつ、成果が出やすいですね。



