国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

新米経理必見!3分でわかる業務手順 第20回「債権管理」

債権管理は与信調査から債権を回収するまでの一連の流れです。債権を回収できないと、手元のキャッシュは減少していき、例え、利益が継続的に出ていても、事業継続がままならない、いわゆる黒字倒産の状態に陥ります。今回は、債権管理についてご紹介していきます。

債権管理とは

債権管理は顧客との取引発生前から入金まで、継続的に行われるものです。一連の流れを見ていきましょう。

1、与信限度額の決定

顧客と取引開始にあたり、与信限度額を設定します。与信とは、文字通り、信用を供与することです。企業間取引に置き換えると、取引先に信用を供与することで、サービスを納品した後に、掛け代金を受領する「与信取引」を行うことになります。

与信限度額は、得意先から入金がなされないリスクを鑑みて、顧客ごとに債権の限度額を定めることで、それを超えた取引は原則として行わないという仕組みです。

与信限度額は、通常、帝国データバンクや東京商工リサーチなどのサービスを用いて、業績情報や、与信評点を確認した上で、会社の規定に基づき、決定します。規定金額を超える取引は、決済権を持つ営業部長や、取締役会などの承認により、取引がスタートすることになります。

2、契約締結

与信限度額内、またはそれを超える場合は決済機関の承認を経た上で、契約締結を行います。契約締結にあたり、金額は勿論のこと、支払サイトを定めます。顧客から、自社の原則的に定める支払いサイトより長い期間を打診された場合は、顧客との関係性、金額を考慮して、先方の打診を飲むか、交渉を行うかを決定します。

また、契約締結時に下記2点も契約に盛り込むのが一般的です。

①支払期日が休日の場合、支払期日を前営業日とするか、翌営業日とするか

②振込手数料の負担を振込側、受取側のどちらにするか

契約書の締結前に必ず確認しておきたいですね。

3、請求書の発行

取引が始まり、サービスの納品が完了したら、請求書を発行します。請求書には、サービス内容や金額のほか、契約締結時に合意した支払期日と振込先口座を記載します。

4、支払期日における入金確認

支払期日を迎えたら、銀行口座を確認し、入金の有無を確認します。ネットバンクに加入している銀行口座を入金口座にすると、入金確認がスムーズにできて便利ですね。入金が確認できたら、一連の取引は完了です。何回か取引があり、安定的に入金がある際は、与信限度額の上昇を検討しても良いでしょう。

一方、入金がない場合は、顧客に督促を行うかたちになります。

5、遅延した支払いに対する督促

入金がない場合、顧客の担当者に督促を行うかたちになります。ほとんどの場合、メールで送った請求書の見落としや、顧客側の担当者と経理担当者の連携ミスに起因するもので、一報を入れると入金の対応をしてくれます。即入金してくれる会社もありますが、顧客の支払決済フロー上、翌月末の支払いとなってしまうこともあります。

6、支払証明の送付

入金督促をしても顧客側が支払いに応じない場合は、支払証明を用いて、請求書や督促状を送ります。公的に送付日を証明できることになり、後に裁判になった際に証拠品として用いることができますし、顧客側に入金に対するプレッシャーを与えることもできます。

7、訴訟

支払証明を送付して、かつ度重なる入金督促を行っても入金がなされない場合、訴訟を検討することになります。訴訟に関しては、今記事では割愛しますが、顧問弁護士などと連携し、適切に対処するようにしましょう。

1 2
ページ先頭へ