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注目の資金調達制度「資本性ローン」の仕組みと注意点

新型コロナウイルス感染症の影響で財務状況が悪化している企業に対して、資本性劣後ローンを含む金融支援が打ち出されています。これに関してニュースで目にした方もいらっしゃると思いますが、資本性劣後ローンはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。そこで資本性劣後ローンの基本的な仕組みや注意点について説明いたします。

令和2年度第2次補正予算にて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業に対する資本性支援が盛り込まれており、日本政策公庫や商工中金が長期間元本返済のない資本性劣後ローンを供給する、としています。

それを受けて、日本政策金融公庫では、次のように資本性ローンの制度が設けられています。

▶新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)

また、民間金融機関でも資本性劣後ローンの取扱いをはじめる銀行が増えてきています。

■資本性劣後ローンの概要

資本性劣後ローンは一言で言えば「融資」ですが、「資本性」とありますように、金融機関からは資本と見られます。通常、融資を受けると、貸借対照表では負債となりますので、自己資本比率が低くなります。そのため一般的には、融資を受けるほど、金融機関から追加の融資が受けにくくなります。

資本性劣後ローンにおいても、貸借対照表では負債となりますが、金融機関が決算書を見る際には、資本性劣後ローンは資本と見なされます。資本が増えたと見なされますので、追加の融資が受けにくくなるどころか、むしろ受けやすくなります。

資本性劣後ローンの「劣後」といいますのは、もし会社が倒産などになった場合、他の債務に比べて弁済が劣後します。つまり、貸し手から見ると、会社が倒産などしたときは回収可能性が低い資金となります。これは出資金も同様となりますので、資本性劣後ローンは金融機関の査定にあたって資本と見なされます。

また、資本性劣後ローンは、元本は返済期間終了時の一括返済となるのが特徴です。通常の融資では、毎月、元本と利息を返済していきます。それに対して、資本性劣後ローンは一括返済となりますので、たとえば返済期間が10年の場合、10年間は利息のみ支払って10年後に元本を一括で返済します。こういった点からも金融機関の査定では資本として扱われます。

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