新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、資金繰りが厳しくなっている企業も多くなっています。一方で、資金調達の方法が多様化しており、企業としては以前より資金調達の選択肢が増えています。ここでは、近年注目されている資金調達方法の1つである、売掛債権を活用した資金調達方法について、基本的な仕組みを説明します。

■ファクタリング

ファクタリングは、自社が保有する売掛金の債権をファクタリング会社に売却して、売掛金の入金を待たずに現金化することです。たとえば、2月末にまとまった額が入金される売掛債権があるが、1月末に予定されている支払があって、売掛債権を早く現金化したいといった場合に活用できます。

現在、多くの事業でファクタリングのサービスを提供しておりますが、大きく分けると「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。それぞれのファクタリングの基本的な仕組みや特徴(メリット・デメリット)をご説明します。

■2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、ファクタリングを利用する会社(売掛債権を持っている会社)とファクタリング会社(売掛債権を買い取る会社)の2社間での取引となります。

ここで、ファクタリングを利用する会社をA社、ファクタリング会社をB社、A社が売掛債権を持っている取引先をX社とします。2社間ファクタリングは大よそ次のような流れで行われます。

1. ファクタリングの申し込み

売掛債権を現金化したいA社からファクタリング会社B社に申し込みを行います。

2. 審査

ファクタリング会社B社にて審査が行われます。

3. 売掛債権の買い取り

A社からB社に対して売掛債権が譲渡されて、A社にその買い取り代金が入金されます。

4. 取引先から売掛債権の入金

取引先であるX社からA社に対して、売掛金の入金がなされます。

5. ファクタリング会社へ支払

A社は入金された売掛金をもとにB社に対して支払いを行います。

これを図で表すと次のようになります。