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会計事務所職員向け!面倒な年末調整、ココだけ押さえよう②基礎控除、所得金額調整控除

■2020年から始まった「所得金額調整控除」とは

年末調整担当者を一番悩ませているのは、「所得金額調整控除」かもしれません。新しく始まったこの制度は正社員などの給与所得者だけが対象です。申告も年末調整の用紙で行うことになります。

「なんでこんな面倒な計算をしなきゃいけないの」と思うでしょう。この制度の背景が見えると少し着手しやすくなるかもしれません。

  • ●「子育てや介護のある人はどうするんだ!」が創設のキッカケ

所得金額調整控除の制度は単独で始まったわけではありません。給与所得控除の減額に伴って発案されました。

年末調整の記入用紙には表れませんが、2020年分から給与所得控除が10万円ずつ減りました。ここで問題なのは、事情によっては高所得者でも過度に重い課税になる点です。

低所得者は基礎控除10万円の引上げでカバーしていますが、高所得者は増税の改正ばかりです。そして、高所得のサラリーマンも様々な事情を抱えています。子どもを育てたり重い障害を持つ家族を世話したりすればお金がかかるのです。

こういった事情のある高所得者を配慮すべく創設されたのが「所得金額調整控除」です。この控除額の計算は、給与所得だけの人なら次のように行います。

●「給与所得控除」のオマケみたいな存在

ここで所得金額調整控除の位置づけを見ていきましょう。「控除」とあると配偶者控除や基礎控除の仲間のように思えます。しかし所得金額調整控除は所得控除ではありません。確定申告書の「所得控除」の欄には所得金額調整控除の項目はないのです。

適用対象も「給与所得のある人」です。ですから位置づけは「給与所得控除のオマケ」になります。

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