2.売上ランキング
(1) 売上
まずは直近の売上を見てみます。
(なお、本稿では一般的な「売上」という単語で表していますが、「収益」「業務収入」などの表現もあります。)

売上1位はDTTの5兆円となっており、以下、PwC、EY、KPMGと続きます。
BIG4というくくりで表されますが、DTTはKPMGの1.5倍あり、横並びというわけでもなさそうです。
日本で売上5兆円規模というと、三井住友FG(2020年3月期 5兆3千億円)、MS&AD(同 5兆2千億円)といった金融機関・保険会社の他、KDDI(同5兆2千億円)、ソフトバンク(同4兆9千億円)、NTTドコモ(同4兆7千億円)などの通信会社があります。
コンサルティング、監査業務等が主なサービスである会計事務所の売上規模としては目を見張るものがあるのではないでしょうか。
(2) サービスライン別売上


売上の内訳を見ると、各法人の特徴が見えてきます。
トップのDTTはコンサルティングが3兆円を超え、2位PwCの倍を記録しています。しかしながら監査は1兆円にとどまり、BIG4では最も少ない金額となっています。2位のPwCは監査がダントツの1位、またコンサルティングは2位、税務・法務も1位と、比較的バランスが取れているように見えます。
なお3位EY、4位KPMGの売上は、いずれもコンサルティング、監査、税務・法務の順となっています。
(3) 地域別売上

DTTはアメリカ大陸で強く、PwCは「ヨーロッパ、中東、アフリカ」及び「アジア・太平洋」地域で1位となっています。この辺りは各事務所の歴史も関係するかもしれません。(それぞれのルーツ/本部は、DTTがアメリカ、PwCとEYがイギリス、KPMGはオランダ。)
(4) 4大監査法人との比較
改めて日本の4大監査法人と比較してみます。

トップのトーマツが1,146憶円となっており、DTT 5兆361憶円の1/50となっています。ただしトーマツは監査法人のみの数値であり、一方、DTTの売上にはコンサルティングファーム等の数値も含まれています。そこで監査業務に絞ってトーマツとDTTを比較してみます。

トーマツ809憶円に対し、DTTが1兆474憶円となり、4大監査法人の一角、トーマツの監査売上はDTTの8%にすぎないことが分かります。EY、KPMGも概ね同程度であり(*)、4大国際会計事務所の規模の大きさが想像できるのではないでしょうか。
(* PwCあらたとPwC Globalの監査売上比は1.5%程度と、上記3つとは差があります。PwC Japanグループの監査法人として、他にPwC京都監査法人もあり、他法人とはやや状況が異なります。)



