国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

令和3年度税制改正で「教育」「結婚・子育て」「住宅取得等資金」はどうなった?

令和3年度税制改正大綱が昨年12月に発表されました。資産税で特に大きな改正はありませんでしたが、私たちに身近な非課税制度「教育資金」「結婚・子育て資金」「住宅取得等資金」は一部変わります。

■贈与税の改正①教育資金の贈与税の非課税制度

創設当初、この制度は「相続税の対象外」「受贈者は30歳未満の子や孫であればいい」という内容でした。しかし節税目的の利用が横行、平成31年4月1日以降、条件が厳しくなりました。今回の改正でより厳格化された形です。

具体的な変更点は次の3つです。いずれも令和3年4月1日以降贈与される資金に適用されます。

  • ●改正1.「3年以内贈与だけ」が「すべての贈与」が相続税の対象に

創設当初の制度では、贈与者である親や祖父母が亡くなった時点で使い残しがあっても、相続税は課されませんでした。しかし平成31年4月1日以降、贈与者死亡時の使い残し資金のうち、死亡日以前3年以内に贈与された部分に対応するものは相続税の対象となりました。生前贈与加算と同様、「死期を予知しての贈与は相続税の課税回避行為だ」と見られたのです。

今回の税制改正で、この課税がより厳しくなります。相続税の課税対象は「贈与者の死亡日以前3年間に受贈したものだけ」ではなく「贈与者が亡くなった時点で使い残している資金全額」となるのです。

  • ●改正2.「孫でも2割加算なし」が「孫なら2割加算あり」に

相続税法では「配偶者」「直系血族のうち一親等」以外の人の引き継いだ財産は、相続税が2割増しになります。亡くなった人の財産を一世代飛ばして孫が引き継ぐと、孫の相続税は「本来の納税額×1.2」になるわけです。

ただし、この非課税制度の対象となる教育資金は例外でした。使い残しに相続税がかかるようになりましたが、それでも2割加算の適用は受けなかったのです。見方を変えれば「制度は多少使いにくくなったけれど、教育資金を使えば2割加算を免れて孫に財産の移転ができた」わけです。

しかし、この2割加算逃れも今回の税制改正で封じられます。受贈者が孫なら、贈与者死亡時の使い残しが全額相続税の課税対象となるだけでなく、相続税の2割加算も適用されるのです。

  • ●改正3.適用期限が2年間延長

本来、この制度は令和3年3月31日が期限でした。しかし今回の改正で2年間延長され、令和5年3月31日までとなりました。

  • ●注意点:23歳未満や通学中はこれまで通り優遇

以前より厳しくなった教育資金の相続税課税ですが、本来の目的に沿った利用なら適用されません。贈与者の死亡時、受贈者が次のいずれかに該当すれば使い残しに相続税は課税されないのです。

  • ・23歳未満である
  • ・学校等に在学している
  • ・教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている
1 2 3
ページ先頭へ