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2021年版マイホームを売って利益が出た 所得税確定申告書の書き方講座

コロナ禍において、マイホームの売却例が増えていると言われています。売却し購入時より高く売れた場合は、その利益に対し税金がかかってくるので、所得税の確定申告を行わなければなりません。ただし、マイホームだけに売却しても新しく住むための家を購入・賃貸等する必要があるわけで、他の財産のように利益全額に税金がかかるわけではありません。どういった場合に税金がかかり、どう申告を行うかについて解説します。

自宅を売却して利益が出た

自宅を売却するのはやむを得ない事情であることも多く、売って利益が出たからと全額課税されては経済的に困る人も発生します。

そのため、自宅を売却して利益が出た場合には、譲渡所得から最高3千万円まで控除ができる特例が用意されています。

これを、「居住用財産を譲渡した場合の3千万円の特別控除の特例」といいます。この適用を受けるためには、確定申告をする必要があります。

さらに、通常の場合よりも低い税率で計算する「軽減税率の特例」を受けることができます。

また、上記との選択制ですが、マイホームを売って新たに買った場合は、「譲渡益を繰り延べる特例」も選べます。

(1) 3千万円の特別控除の特例

長期譲渡所得または短期譲渡所得のどちらに該当する場合でも、一定のものについては、課税譲渡所得金額を計算する上で最高3千万円が控除されます。

譲渡所得-特別控除=課税譲渡所得金額

譲渡所得:譲渡価額-(取得費+譲渡費用)

特別控除:3千万円(※)

※譲渡所得が3千万円に満たない場合には、特別控除額は、譲渡所得の金額が限度となります。

(2) 軽減税率の特例

売った年の1月1日現在で、そのマイホームの所有期間が10年を超えている場合は、(1)3千万円の特別控除の特例を適用した後の課税長期譲渡所得金額に対して、次のとおり軽減された税率で税額を計算することになります。

■マイホームを売ったときの軽減税率の表

※1 課税長期譲渡所得金額とは、次の算式で求めた金額です。

(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税長期譲渡所得金額

※2 2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。

(3) 買換え(交換)の特例

マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームの買換え(交換)をした場合は、譲渡価額が1億円以下、売った年の1月1日現在で所有期間10年超、居住期間10年以上などの、一定の要件に該当すれば、その譲渡益の課税を繰り延べる特例が受けられます。

ただし、上記(1)3千万円の特別控除の特例または(2)軽減税率の特例とは、選択適用となります。

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