CRSを活用して国外財産を把握
国税庁が日本人が保有する国外財産を把握するための切り札としているのが、CRS(Comment Reporting Standard:共通報告基準)の情報です。
CRSとは、非居住者の金融口座の情報を他国の税務当局との間で自動的に交換する仕組みをいいます。このCRSを活用することにより、国税庁は日本人が海外の金融機関に保有する預金口座等の情報を収集することができます。
国税庁においては、CRS情報を活用して相続財産の申告漏れを把握したり、国外送金等調書や国外財産調書などの様々な資料情報等と併せて分析することにより、国外財産について正しく申告していない者を抽出し、税務調査を実施するとしています。
【CRS活用例①】

国外財産調書の記載内容とCRS情報の海外口座残高を突合した結果、金額に開差がある場合や、そもそも国外財産調書が提出されていない場合には、国外財産についての申告漏れが想定されます。
【CRS活用例②】

相続税の税務調査において、CRS情報と相続税の申告書に記載された海外資産残高を突合させることにより、海外資産に係る申告漏れを発見する端緒となります。
最近では、CRS情報等に基づいて「国外財産調書の提出義務の確認について」といった文書による照会が行われています。これらは税務調査ではなく、行政指導の一環として行われるものであるため、文書が届いてから申告漏れに気付いて修正申告を提出したとしても自主的な修正申告となるため加算税は減免されます。
そのため、海外財産についての申告漏れがある場合には、税務調査が行われる前に、過年度分も含めた修正申告及び国外財産調書を提出することが得策かと思われます。
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