飲食店にとって金融機関とよい関係を築くことは積極的な支援を受けるために重要になります。そこで今回は金融機関との関係を強化するのに役立つ手法ついて説明します。
金融機関との関係が融資判断の決め手!?
都内で焼肉店を3店舗経営しているhさんは新店舗の出店を検討しており、メイン銀行の担当者に融資の相談をしました。ところが、担当者から、「融資スピードが早く借入れが重くなっているため、審査が通らない可能性が高い」と言われ、融資を断られてしまいました。
金融機関の融資判断は、決算書の内容、事業計画の妥当性、会社状況、担保、保証人提供の有無(保全)、他行の状況等により判断されます。特に、決算書の内容や保証・担保の有無が重視されることが一般的でした。貸したお金が返済してもらえないようなことがあると困るためです。
ところが、そうした手法による融資では、成長力はあるものの、決算書の内容があまりよくない場合、事業に必要な資金が調達できないことがありました。
平成26年9月11日公表の金融庁の方針(「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針」)において、「事業性評価に基づく融資等」が盛り込まれました。この金融庁の方針の中で、「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる。」と明記されました。これを受けて近年、金融機関においても、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う事業性評価融資が重視されるようになってきました。