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目指すは3億円企業創出日本一!選ばれ続ける事務所であるために大切なこと【税理士法人Soogol 下地麻大氏】

経営支援型の会計事務所としてスタートアップ企業を支えている税理士法人Soogol。税務会計業務はもちろん、経営者が経営の選択をするための材料となるような情報提供に力を入れている。今回は取締役の下地麻大氏に今後の更なる価値提供やリモートワークの促進、人材育成など、過去の失敗談なども交えてお話を伺った。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 村松)

スタートアップ企業を支える経営支援型の会計事務所

まず、事務所の特徴について教えてください。

当法人の特徴は、社内スローガンとしても掲げている、経営支援型の会計事務所であることです。税務監査をして適正な申告をするのはもちろんですが、会社を経営しているお客様へ付加価値を提供できることが、我々の存在意義なのです。

弊社は新規のスタートアップのお客様が多く、新規のお客様のうち6~7割は新設法人。しかし、そもそもスタートアップ企業の存続率は厳しいものです。起業をした分野のプロであっても社長としては1年生ですから、経営をどのように組み立てて課題を解決すればいいのかといった課題に一人で立ち向かうのはとても難しいです。会社を存続させていくためには、社長一人ではなく、組織作りが必須となります。そして、その組織作りのためには、税務のご支援をするだけでは十分とは言えません。お客様の基盤づくりと成長をご支援したいという思いから「3億円企業創出日本一」という目標を掲げています。

ロゴに込めた思いについてもお聞かせいただけますか。

ロゴは、スイッチを表しています。会社を経営していると、色々な課題に直面します。しかしその目先の問題を解決するだけでなく、基礎を作っていかなくては一気に成長することができないのです。我々が基盤作りのお手伝いをし、お客様が成長のためのスイッチを押せるようにしたいと思っています。

起業した段階では経営に関する知識も乏しい方がほとんどですし、節税して税金を安くすることだけにとらわれがちです。しかし、その節税が今後自分の会社にどういった影響を及ぼすのかというところまで知った上で「節税したい」といっている方はほぼいません。我々はスタートアップ企業が直面する問題について、多くの失敗例も成功例も見ています。そういった情報、つまり、お客様が経営の選択をするための材料となる情報を提供することが必要だと思っています。

例えば家が欲しいとします。こういう家がいいというイメージはあっても、何をどう選べばいいか分からないですし、コストを抑えたいけど安かろう悪かろうになっても困る、かといって全部良いものを使うというのは予算的にできません。そうなると、「自分に合った家を、誰かが提案してくれたら楽なのに」と思うはずです。

そしてこれは、会計事務所のお客様も同じです。「自分の会社に合った提案をしてほしい」と思っていても、自分にとってどんな情報が「合って」いるのか、はっきりとは分かりません。もし分かっているとしたら、自分でできます。ですから私たちは、お客様が今置かれている状況がどのようなものかを正確に捉え、社長がやりたいと思っていること、進もうとしている道について、これを進んだらどうなるのか、どれくらいの資金が必要なのか、どんなことを考えなければいけないかをお伝えしなければなりません。

後から「先に言ってくれれば選ばなかったよ」「先に言ってよ」となっては困ります。お客様も「プロなら先に教えてほしい」と、思っていらっしゃるはずです。その期待に応える必要があります。

データベース化の推進によってサービスの質をさらに高める

顧客の期待に応えるサービスを提供するために力を入れていることは何でしょうか。

まず、案件の見える化です。会計事務所はどうしても属人的になりがちです。スーゴルとお客様が契約していただいているにもかかわらず、スーゴルを通して担当のAさんとお客様が付き合っている…これは会計事務所ではありがちな構造ですよね。しかし当法人はこの構図を変えていこうと思っています。

実際に、Aさんが担当するとお客様は伸びるけれど、Bさんが担当すると伸びない、ということは実際にあります。我々は機械ではないので、能力やセンスの統一は、ある一定のレベルまでは達成できても、人が増えるほど難しくなります。

この状況を変えるために、今、社内でデジタルマーケティングの構造を作っています。

過去の経営状況などがしっかりとデータベース化されることによって担当者個人の能力やセンスだけでなく、スーゴルとして押さえておくべき事項がピックアップできます。

そういったデータベースがあれば効果的なご提案に繋がりそうですね。

税理士法人なので、まず付加価値の前段階として会計税務の業務があります。その部分は当然、プロフェッショナルとしてできないといけません。しかしその一歩先の付加価値の部分に関しては、オールマイティを望むより、それぞれの専門領域を強みとして持ってもらう方向に現在シフトしています。

話は変わるのですが、新卒も採用されているとのこと、驚かれる他事務所も多いのではないでしょうか。採用に関して、このような人材に育てたいという目標はありますか。

新卒であっても、中途であっても、70歳になっても選ばれる人材を作る、というところが軸です。40、50、60歳だと、よほど応募者が少ないという状況でなければ採用に至りません。しかしこの方たちがもしそれまでに積み上げてきたものがあれば、オファーがあるはずなのです。

70歳になっても選ばれる人材とは、どのような人ですか。

能力・スキルに伴って、人間力も高い方ですね。歳を重ねると経験値は上がりますが、情報のアップデートは必要です。しかし能力だけでなく、人として関わりたいと思える柔らかさも持ち合わせていてほしい。貸借対照表と一緒です。どんなにスキルが高くても、人間力が低ければ低い方に一致してしまいます。同様に、人間力が高くてもスキルが低ければ「あの人いい人なんだけどね。」と低い方に一致してしまいますよね。だから70歳まで現役でいられる人材作りを軸にしています。

しかし、新卒の子に70歳までといってもピンときません。新卒にとって大切なのは「周囲が自分に何を期待しているかをキャッチする力」。100%期待に応え続けるのは難しくても、自分なりに最大限応えていこうとし続ければ、最終的には70歳まで現役でいられる人材になっていくと思います。社内でも、お客様に対しても同じです。何を期待されているのか理解して、それに応えていけば、人に選ばれる人になれます。個が強くなっていかないといけません。70歳でも選ばれ続ける人になることをイメージさせ続けることが重要です。

上手くいっている部分もありますが、まだ改善したい課題もあります。実は昨年、2年目の退職がとても多かったのです。そこでふと自分自身が会計業界へと入ってきたころのことを思い返してみると、やはり同じように2年目がきつかったと思い出しました。1年目はがむしゃらに頑張れますが、2年目にいざ担当を持ってみると、お客様の期待と自分の能力とにギャップを覚えます。次々にお客様から質問されるけれども、自分の答えに自信が持てず、不安で怖いのです。そういったことに経験値がないので、自分の無力さがむなしくなります。

ただ、そういったときに仲間がいれば、不安になっているのは自分だけではないのだと思えますよね。ところが昨年は、そういった状況のときにコロナ禍でリモートになってしまったことも大きかったのではないかと思っています。今後はそういったコミュニケーションでカバーできる部分も軽視せず取り組んでいきます。

リモートワークを導入されたとのことですが、これからの働き方についてはどのようにお考えですか。

もちろん感染拡大を防ぐためのリモートですから必要なことです。しかし、電話やミーティングは、用がなければしませんよね。今日何食べたの?と聞くためだけに通話ボタンを押しません。先ほどの話にも通じますが、簡単な雑談は意外と必要です。

だから新人が一人前になるまでは、中途で即戦力として採用した人も半年くらいは、出社が必要だと思いました。現在はなるべく出社していただいて、朝の朝礼だけは通勤ラッシュの時間帯を避けるために自宅からZoomで参加してから出社するようにしています。

リモートワークを導入して働き方の選択肢が出たのは良かったです。ただ、今は取り急ぎリモートワークを取り入れている段階です。人数が増えると、リモートワーク用の一定ルールの整備は必要だと思います。今後についても、リモートワーク可能日数を設けるとか、職種によってリモートを増やすなど、コロナ禍が終わっても働き方の多様性は進めていきたいと思っています。

また、今回リモートワークを促進させるにあたって、データベース化や業務の見える化はさらに強化していかなければならない部分だと実感しました。コロナ禍になって、お客様の経営状況もよりよく見ておかないといけません。今はどんどんお金を貸してくれている状況ですが、いつか返さなくてはならないお金です。資金を持っているうちにどんな経営戦略を取るべきか重要な時期だと思っています。

顧問先から選ばれ続ける事務所になる

最後にメッセージをお願いします。

会計事務所として、税理士として選ばれることをそれぞれの事務所が取り組まれていると思います。テクノロジーも進化して、社会も変わります。その中で、よく「生き残る」というフレーズが使われますが、「生き残る」ということは「選ばれ続ける」ということです。

その時その時、何が求められているのかを正確に捉え、追求していくことが大切です。我々自身も足りないところはまだたくさんありますが、それでもキャッチアップしていくことが大事だと考えています。

 

【編集後記】

求められているものを正確にとらえて追及していく。そして単に「生き残る」のではなく「選ばれ続ける」。インタビューをさせていただいた中でもこのポジティブな表現が多く、前に進んていくエネルギーを感じました。下地さん、ありがとうございました!

税理士法人Soogol(スーゴル)

●設立

昭和44年(1969年)

●所在地

東京都台東区上野3-24-6 上野フロンティアタワー16階

●理念

私たちに関わるすべての人に発展と笑顔を

●企業URL

https://soogol.jp/

 

著者: KaikeiZine編集部

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