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クライアント目線を常に意識しAIにはできない付加価値を提供。顧客と共に成長をすることがGOAL【ささき税務会計事務所 所長・佐々木康貴氏】

今回お話をお伺いする実力派会計人は、表参道の地に事務所を構える<ささき税務会計事務所>の所長・佐々木康貴氏。宿泊業への税務コンサルを得意とする佐々木氏は士業がAIに勝つためには徹底的に顧客の立場になって考え、行動することと話す。これまでのキャリアと共に今後の展望に迫ります。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

10年かけて合格、一生分の勉強をしようと税理士の道へ

まず、税理士を目指したきっかけについて教えてください。

佐々木:私の叔父が税理士で、小さいころから事務所にもよく遊びに行かせてもらっていました。父からも「税理士という仕事があって、雇用されるのではなく独立して開業することもできるんだよ。」と教わっていたので、税理士という職業に対する明るいイメージは持っていました。

しかし、その後は税理士になることは特に考えておらず高校、大学とアメフトを続けていました。就職活動では体育会のOB訪問として銀行や保険を回ったのですがあまりピンと来ず、初めて将来を真剣に考えて、税理士という仕事に行き着いたのです。私は付属中学からの持ち上がりで大学受験を経験していません。だから一生のうち、今は勉強に打ち込んでもいいかもしれないと考え、就職活動を途中で切り上げて税理士を目指し始めました。

働かずに2年くらいは予備校に通いながら勉強に専念しました。2年後には個人の会計事務所で働きながら13年勤務。税理士に合格したのは勉強開始から10年後でした。

長く勤められた事務所から独立されました。独立したきっかけはあったのでしょうか。

佐々木:はじめに入った事務所はとても居心地が良くて、勉強しながら働いている仲間たちも多くいました。試験に合格したら独立したいと考える人は多いと思いますが、お世話になった事務所は当時では少し珍しく、代表が社内独立のシステム作りを進めていました。だから職員たちは合格後も社内独立をする道を選んでいたのです。

さらに売上が上がったら、その売上から人を採用するといったことも可能でした。このような先進的な制度のもと、やりがいもあり、所長のこともとても尊敬していました。

しかし、あるとき税理士法人にしようという話があったのですが頓挫してしまって…。社内独立をしている集団ですから色々な考えや価値観をそれぞれが持っているんですよね。
このときに「同じ税理士といってもいろいろなスタンスの方がいるな。」と初めて気付きました。私は、今年よりは来年、来年よりはその次と新しいことをやっていきたいという気持ちがあったのですが、中には現状維持がいいと考える方もいます。それもあって、独立をすることにしました。これが平成21年の10月の出来事です。

仕事はとても楽しかったですし、所長にも感謝をしていましたから後ろ髪を引かれる思いでした。しかし、独立に際しても、所長は「お客様も引き継いでいい。」というお考えだったのは驚きました。最後の最後まで所長には頭が上がりませんでした。

そして独立をされました。表参道の地に事務所を構えるきっかけは何でしょうか。

佐々木:予備校時代に一緒に勉強していた仲間がいたのですが、こちらのビルで事務所を開所する予定でした。私たちは予備校で互いに「税理士になって、いつかクルーザーを持ちたい。」と夢を語っていて、船舶の免許も取得したほどの仲だったのです。そして何年か経ち、たまたま免許の更新で再会して、再び、税理士としての将来像について語ることになりました。私が独立しようと思っていて物件を探している話をすると、こちらを紹介してもらったのがきっかけです。

ちなみに船舶の免許はあるのですが、未だにクルーザーを持つ夢は叶っていませんね。(笑)

その後、宿泊業をメインにクライアントにされたと伺っています。

佐々木:現在は宿泊業のお客様が多いです。もともと、独立前の事務所のお客様に業界の中でも大御所の方がいらして、そのお客様の案件は前の事務所に残しましたが、他の同業者の方をご紹介いただくことができました。その大御所のお客様には「宿泊業の協会に賛助会員として入ったらいい。」と独立後のアドバイスまでいただいたのです。その会合の中で、たまたま協会の会報誌の編集長とも知り合いになり、会報に寄稿してほしいと言われて5、6年書いています。セミナーの講師のご依頼もきます。さらに、会報誌がきっかけになって、京都や青森など、全国規模でお客様が増えていきました。

効率化を目指しながらも、人にしかできない<おもてなし>を大切に

事務所を運営する上で大切にされていることはありますか?

佐々木:「クライアント目線」という話をよくします。AIも発達していますが、AIにはできない「おもてなしの気持ち」を持つようにと、スタッフに言っています。お客様との関係が作れるかどうかも、話し方次第の部分もあります。

たとえば、期限ギリギリになってもまだお客様から書類が届かず、申告書の期限が迫ってしまうというのはよくある話。しかしそこで「早く届けてもらわないと、こちらの作成が間に合いません。」といっては、こちらの都合を押し付けているだけです。その場合にも言い方を変えて「期限ギリギリになってしまうと、御社の処理が適切にできない可能性もある、損をさせてしまうこともある。」と、お客様の目線でお話しをします。

逆に、職員が納付書を期限間際に出していたら「税理士から納付書を期限間際にもらって、すぐ提出してくれなんて言われたとしたら、自分ならどう思うか。」という話もします。そういう、相手の目線に立つ必要性については折に触れてよく話しています。

組織が大きくなるなかで、どのような点に課題を感じますか。

佐々木:やはり人ですね。組織が大きくなると人が増えるわけですから、いろいろな人がいます。しかしなるべく、良いところを見るように心がけています。

人それぞれ、苦手な分野と得意な分野がある。どこかで不和が生まれそうになったら、私が間に入って適材適所に配置して解決するようにしています。

前に私がいた事務所もそうだったのですが、この事務所は居心地がいいと思ってもらいたい。パソコンとにらめっこをしている職業なので、笑いが生まれるような雰囲気作りを心がけています。

新しいシステムをどんどん導入されていると伺いました。

佐々木: Kintone(キントーン)は、効率化に役立ちました。お客様との対応履歴が一目で分かりますから。担当者が不在のときにお客様から質問があったとしても、簡単な質問であれば在席している人間で対応できます。また、所内では2つのチームに分かれて動いています。対応履歴や、何か新しいことがあれば、Kintoneにマニュアルを埋め込んで共有します。顧客管理、業務履歴だけではなく、進捗管理やTODOや請求書に至るまで、バックオフィスを網羅できていると思います。どんどん進化しているので、使いこなすのも大変ですが…。ただ、使う前より、2割程効率化できていると思いますよ。

最近はRPAが流行りだしていますが、うちも2年ほど前に始めてみました。私とスタッフ2人で研修にも行って、導入してみたのですが、結局頓挫しました。時期的にも早すぎたのかもしれません。通常の仕事の片手間で導入するのは、ちょっと難しかったです。私たちは「RPAで何をするのか」という部分が明確でないままRPAを導入してしまったので、進むべき方向が分からなくなってしまいました。

しかしそんな経験も、新しいものを入れてみたからこそ気付けたのです。だからどんどん新しいものを取り入れようと日々チャレンジをしています。

今後の展望 信頼されてこそのワンストップサービスを目指して

佐々木:今までは、既存のルーティンワークだけをこなすだけ、といった業態もあったかもしれません。しかしそのままでは生き残っていけません。これまで他士業と連携していた部分もこれからは会計事務所がワンストップで担うべきではと考えています。

なぜなら、お客様は他の士業の方とお付き合いがあったとしても、何かあったときに私たち税理士を頼られることが多い。業務に関係ないことまで聞かれるのは日常茶飯事です。以前も高齢のお客様に「都営バスの東京都シルバーパスはどこで貰えるのか。」と聞かれたことがありました。(笑)

税理士の業務の範囲外であっても、真っ先に頼られるのが税理士なのです。もちろん全部応えることはできないのですが、そのような身近な存在としてお客様のニーズに応えられる部分はまだあるように感じます。AIも出てきて、バックオフィス業務は徐々に任せられる部分も出てくるかもしれません。その分の空いた時間を使って、人間しかできない心遣い、コミュニケーションの部分を充実させていきたいと思っています。

 

周囲との関係性を大事にしながらニーズに応えてきた佐々木先生。

以前、求人サイト・アカナビの取材でもお伺いしましたが、スタッフさんからも所内の雰囲気は穏やかで働きやすいとおしゃっていました。所長のお人柄を感じる取材となりました。

ささき税務会計事務所

●設立

2009年

●所在地

東京都港区 北青山3丁目5-14青山鈴木硝子ビル7F

●理念

お客様と信頼関係を築き、パートナーとして共に成長していくこと

●企業URL

https://sasaki-taxoffice.com/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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