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アート・カルチャーの世界で経済活動の”伴奏者”となりクリエイティブを加速させる【公認会計士山内真理事務所 代表・山内真理氏】

今回お話を伺ったのは会計業界の中でも珍しくアート・カルチャーに特化をして税務会計サービスを行っている公認会計士・税理士の山内真理氏。昔からアーティスティックなものに惹かれていたと話す山内氏だが一方で数字的な感覚も得意だったという個性派の実力派会計人だ。顧客に寄り添いながら共に歩み、アーティストが目指す姿に導く姿勢はまさに"伴奏者"のよう。今回は、山内氏の公認会計士という職業を選んだ理由、そして今後のビジョンに迫ります。(取材:レックスアドバイザーズ 市川)

“無形の価値”をカタチにする。計数感覚を活かした先が会計士だった

まず、公認会計士を目指されたきっかけについて教えてください。

山内:一橋大学の経済学部出身で、経済学部にいる者としては自然な選択肢かもしれませんが、数字的な感覚が得意だし、そういった自分の専門性を活かせる職業として会計士を視野に入れました。ただし、会計士という専門性を活かしたい場は監査ではありませんでした。私は、”知識や文化を創造する”といった、世の中にとって面白く新しいものを出していくような場で会計士という専門性を活かしたかったのです。

経済学部には所属していましたが、商学部の授業やゼミにも参加していたので、経営学の分野も学びました。そこで私が興味を持ったのは、ブランディングや知的資産など、無形の価値のあるもの。興味あるフィールド内で、自分の立ち位置を得るステップとして会計士になろうと考えていました。だから監査法人は修行として当然行くつもりではありましたが、そこがゴールだと捉えていたのではありません。私が目指していたのは、その先にある、専門性を活かして価値を作ることや、文化を育むといったこと。だから公認会計士というライセンスは、自分の目指す未来のための「チケット」だと考えていました。

大学卒業後は、会計事務所でアルバイトをしながら、26歳で合格しました。アルバイトですが、ここで会計事務所の様子を知ることができたのは良かったです。この経験があったおかげで心理的な抵抗なく独立することができました。

Arts and Law (アーツ・アンド・ロー)との出逢いが独立を後押し

その後、監査法人トーマツに就職をされています。どのような業務をされていましたか。

 山内:私の目標は、会計士という専門性を活かしてクリエイティブな領域やカルチャーの領域と関わること。そのために、幅広いことをやりたいという気持ちがありました。中小企業の内側を見てみたいと思っていましたし、コンサルティングの経験を積んだ方が独立後に役立ちます。監査法人での就職にトーマツを選んだのも、独立志向の方が多い監査法人であったから。部署も、大企業ではなく中小企業の仕組みを学べるよう、IPOなどを行うトータルサービスという部署を選び、4年ほど勤務しました。

この4年で自分の成長の糧となったのは、さまざまな業種を見られたこと。そして、企業の中の意思決定の仕方や業務の流れなど基礎的な企業の仕組みが分かったことです。大きな会社だと全体像が見えにくいと思いますが、小中規模のクライアントなら、会社全体の機能から各部署の日常的なオぺーレーションまでが見渡せるという部分はとても勉強になりました。

そうして経験を積み、さらに自分のやりたいことに近づいた仕事がしたくて、30歳で独立をしました。

独立後は、もともとアートやカルチャーに特化をしようと決めていらっしゃったのでしょうか。

山内:クリエイティブの支援は、学生時代からやりたかったことです。そして、その支援の方法を模索していたときに出会ったのが「Arts and Law (アーツ・アンド・ロー)」という活動です。この団体は当時アートの知財領域などのプロとして仕事したいと思っている若手弁護士を中心に、ボランティアで専門領域の相談に乗ったり、ネットワーキングや講座を開講したりしていました。私も自分の専門性を活かしてアートやクリエイティブ領域の人たちの手助けをしたいと考えていたので、同じ士業という自分の横にいる分野の方がこうした活動をしているというのは、とても励みになりました。

異業種であっても、アートと関わりたいと考えている私の独立を後押ししてくれたことも嬉しかったです。業種や専門性は違っていても、同世代で、同じような方向でキャリア構築をしていこうと思っていて、同じ熱量を持っている方がたくさんいました。文化支援の輪といいますか、こうした横の繋がりは現在においても非常に役立っています。

クリエイティブ組織の支援の醍醐味の一つは、クリエイションの価値を尖らせながらも、一方できちんと黒字化するような事業・組織づくりをする、その手伝いができることです。売り上げを伸ばす力があっても、利益を生む体質になっていない組織は案外多い。中の人たちが疲弊せずに、気持ちよくクリエイションできるバックヤードづくりや、損益バランスを立て直してクリエイティブの加速ないし創造性を発揮できる環境を背後で支える、というのも我々の一つの役割だと思っています。お客様ご自身で改善した実感を得られるので、顧客満足にも繋げることができています。

専門特化ならではのサポート体制。丁寧なアドバイスでクライアントへ貢献

アート・カルチャーに特化をしている以外の御社の魅力を教えて下さい。

山内:クライアントに対しては、まず丁寧に寄り添うということを第一に考えています。お客様のなさっている活動自体を理解し、お客様が大事にしている思想や価値観を共有する。物理的にいえば、数字や組織を観察し、分析結果をフィードバックし、管理体制や各種ツールの使い方についても提案や案内をします。

もちろんこれは、担当者一人で抱えられるものではありません。当事務所は基本的に2名体制で、定期的にお客様とコミュニケーションする機会を持ちます。状況共有がしやすいですし、バックヤードの提案や業務のプロセス、数字の立て方、計画の立て方に対して、丁寧にアドバイスできます。

通常、経理は業務プロセス上、一番下流になりますよね。取引が終わって、後処理の段階で相談がくることがほとんどです。しかし当事務所は、始める段階から相談を頂くことを意識しており、周辺にいる弁護士、弁理士、社労士、司法書士など等異種専門家とも積極的に協働して、スキーム作りから提案する機会も多いです。そういった事業設計段階から相談できる安心感が付加価値となって、お客様に喜ばれている部分はあると思います。

社内での体制も整えられているのですね、採用の際に意識されていることは何でしょうか。

山内:当事務所では、基本的には会計事務所や税理士法人での実務経験者を採用しています。基本的な業務の経験を積んで、自分のキャリアを俯瞰して、切磋琢磨しながら自分のスキルをあげていきたいというフェーズになった方をお招きしたいからです。そのフェーズにならないと、どうしてこの特殊な領域の仕事をしていくのかという動機が曖昧になりがちです。

文化・芸術と産業・経済は、世の中の豊かさの両輪。その両輪を支援するという社会的ミッションが、事務所の目指すところです。採用した方が事務所の中で当事者としてどういった職業人生を歩んでいきたいか、その部分を明確にしておいてほしい。その上で、当事務所とチューニングが合った人を採用したいと思っています。

今後の展望 ‐ クリエイティブ×3つの社会課題を解決する

今後、力を注いでいきたいことについてお聞かせください。

山内:1つ目は多角的な問題解決、2つ目は国際展開支援、3つ目に地域文化創造振興支援。これら3つを柱として力を入れていきたいと考えています。

1つ目の多角的な問題解決では、ファイナンスや会計税務領域に拘らず、コンサルティングに力を入れていこうと思っています。クリエイティブの領域と会計事務所・コンサルファームの支援領域は伝統的に見れば遠いのですが、世界的に見れば近づいてきています。例えばファイナンスのコンサルティングファームが担う領域と、代理店が担っている領域は近づいています。弊所もクリエイティブ領域の専門家、つまり現在のクライアント群と積極的に協働して、他産業にアウトリーチしていく支援の取り組みを始めています。

2つ目の国際展開支援には、文化やコンテンツ、クリエイティブの輸出入の際に生じる国際税務上のケアや法律、ビジネス慣習の差異に配慮したサポートです。文化・芸術は簡単に国を超えますし、日本と他国といった多拠点で活動されている方も増えています。

ご本人が表現力やクリエイティビティを持っているからこそ国を超えて活躍できるわけですが、その分複雑な処理が関係することもあります。足かせになる税制や法律の問題をこちらがコントロールすることで、安心感を得ていただいて、その方のクリエイティビティや文化の輸出入を助けるのが当事務所のミッションです。もちろん専門領域外の部分は他士業等の力を借りることもあります。

3つ目に挙げた、地域の中で文化的に価値のある取り組みをしていらっしゃるクライアント様も増えています。例えば、知財や作品等が絡む事業の行く先について、地元で相談できる会計事務所を見つけ辛いといった事情もあるようです。また、コロナ禍で東京で活動していた人が地域で面白い活動を始める例も増えており、そうした相談も多数受けます。最近だとクリエイティブのお客様と協働で、地元の老舗企業の新しい取り組みを支援する、といった地域文化の間接的支援が少しずつでき始めているかなというところで、楽しいです。

以上のように、大きくは以上のように3つの展望がありますが、もちろんベースとなる財務会計や税務はしっかりとやっていきます。このベースが人を育てるための土壌にもなります。しっかりした専門性のベースを持ち、この3つの展望にも面白いと思えるような方と、採用の場で出会いたいですね。

【編集後記】
現在、組織拡大中の山内真理事務所様。人数も増え現在は社内教育にも力を入れていらっしゃいます。まさに勢いのある次世代を担う会計人のお話でした。山内先生、ありがとうございました!

公認会計士山内真理事務所

●設立

2011年12月

●所在地

東京都千代田区二番町11-20グンショウ二番町ビル4F

●理念

創造性と革新性

メンバーの多様性

オープンなコミュニケーション

●企業URL

http://yamauchicpa.jp/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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