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顧問先の経営課題を解決できる武器を増やす【税理士法人矢崎会計事務所 代表 矢﨑誠一氏】

今回お話を伺ったのは、税理士法人矢崎会計事務所・代表、公認会計士・税理士の矢﨑誠一氏。矢﨑氏は72年の歴史を誇る会計事務所の3代目として、事務所業績のV字回復を果たした実力派会計人だ。矢﨑氏が顧客の経営課題解決のために大切にしていることや会計事務所経営において意識をしていることについて話を伺った。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 村松)

事務所概要

70年以上の歴史があるとのこと、貴所の成り立ちや特徴についてお聞かせください。

私の祖父が戦争から帰ってきて、練馬で運送業を始めたのがはじまりです。事業を営んでいる中で運送業会計の難しさに気づき運送業会計を支援する活動をしようと、会計事務所を立ち上げました。そこから、練馬で地域密着の事務所として続いていて、今年で72年です。祖父の次には私の父が継いで経営者となったのですが、志半ばで病を患ってしまったため、私が継ぐことになりました。

事務所を経営する上で大切にしていること

一番は、所員に仕事を通して成長して、最終的には楽しく幸せに生きてもらいたいと思っています。

私が代表として入社したときに、まず所員全員と面談をしました。そのときに全員が、感謝される仕事をしたい、と口にしていました。私と目指す方向性が一緒だったのです。ですからその方向性に基づいて経営理念を作って、これからの事務所の方針を伝えました。

あとは、適材適所を意識しています。一人ひとりの強みが何かをきちんと把握し、本人に合ったポジションで強みを発揮してもらっています。

会計事務所の経営資源のほとんどは人財です。私がすべてのお客様対応ができるわけでもありませんし、所員一人ひとりが成長し、力を発揮していただくことが組織として重要です。それが結果としてお客様のニーズに対応できるようになり、お客様からの感謝にも繋がります。

感謝されるためには、相手の立場に立って、相手が喜ぶことを一生懸命考えることが一番大切だと考えています。お客様のニーズへ対応できるようにすることが大事なのです。

課題に対応できる提携先を増やす

お客様からのニーズに応えるため、私が所長として動いているのは、とことん提携先を増やすことです。所員全員がお客様のニーズに全てに対応をするのは困難です。だから我々を通してお客様と提携先とを繋ぐことでワンストップサービスを提供しています。

ここで意識をしているのが、お客様の悩みに対して最善策を提案できる提携先をご紹介するということです。たとえば一つの専門分野に関してでも信頼ができる提携先が10か所ほどあるので、どの提携先がお客様のお悩みに対処できるか、性格面の相性も含めてご紹介しています。

提携先をご紹介するようになる前は、全て私が独自に勉強してお客様対応をしていました。「任されたのだから、自分たちで解決しなければいけない」と考えていたのです。しかし専門ではない分野を勉強して対応をしても、100%のパフォーマンスができませんし、最善策の提案はできません。本当にお客様のためになることは何かと考え、より専門性の高い提携先をご紹介するという形になりました。

代表になったばかりの頃、MAS監査とか会議支援とか経営計画支援などのコンサル業務を標準化するために、所員の能力をアップさせてお客様満足度を高めようと考えていました。しかし、無理して所員の能力を上げさせることが、所員の幸せにはつながらないと気づき、能力ではなく、提携先という武器を所員に持たせようと考え方を変えました。

そして、実際にこの方法を試してみると、ご紹介に対してお客様が直接所員に感謝してくださることが増えました。感謝の気持ちを直接伝えられた所員は、自らの提案でお客様の問題が解決される喜びを覚え、より積極的にお客様とコミュニケーションとれる好循環が生まれたのです。

提携先を増やすにあたって意識をされていることはありますか?

仕事の能力も大切ですが、やはり大切なお客様にご紹介する上で人柄は重視しています。あとは、お客様がどんな課題を持っていることが多いかを調べ、それを解決できる専門家の方を探しています。

現在のお客様のニーズはどのようなところにあるのでしょうか。

やはり「人」と「金」に関する課題です。新型コロナウイルスの流行下である今ですと、補助金に関する情報ですね。これは補助金に関して網羅的にご存知の中小企業診断士の方へお繋ぎしています。また、人に関する課題でしたら社労士の方へ繋ぎます。

もちろん専門家に繋ぐとお客様側のコストは掛かりますが、必要なコストは掛けた方がいいと思っています。過去には創業したばかりの経営者の方へ「給料計算を社労士さんにお願いするのはお金が掛かるので、自社で取り組んでみてはいかがでしょうか。」とお伝えしていたこともあるのですが、そうすると従業員が増えてからあらたな課題が発生して、やはり整理しておけばよかった、となることもあります。ですから最初から社労士さんを付けるよう、お客様にお話しします。お客様の将来の悩みも先回りして提案することを心掛けています。他の士業へ丸投げするだけでなく、情報を共有して、連携しながらやっています。

上手に連携ができている秘訣は何でしょうか。

チャットワークを導入したのは大きかったと思います。お客様とも、他の士業の方ともチャットワークでコミュニケーションを取っています。お客様にご紹介をするときには、お客様と私たちと他の士業の方とでグループチャットを作ることで、こちらも最新情報が更新できますし、何かあればタイムリーに話せます。

そして、私の知り合いである他の士業の方と、事務所の所員とをチャットワークで繋げておくこともできます。私の知り合いなので、まず私から連絡を取って、所内の担当者に引き継いで…という過程を省略できるので、私自身の時短にもなりますし、所員も主導的に仕事ができると思います。やはり所員も忙しいので、手早く紹介できる仕組みは整えています。

実は、チャットワークを使った情報共有として、所内でのTwitterといった感覚で私のつぶやきを載せているチャットグループがあります。あまり所員に向けて経営理念を話す機会がないため、気軽に私の考えや私が現在どんな活動をしているかを知ってもらえる場が持てればと思って始めました。

コロナ禍での事務所経営について

コロナ禍において、事務所内での業務は変わりましたか。

リモート業務が入ってくるので、新たな人事評価制度の導入を進めています。役職の業務内容や求められていることを整理して定義づけし、それに評価を付けていくという方法です。大きな時代の流れとしても、今までのように大量採用してOJTで部署を回って年功序列で役職を決めるといった組織作りではなく、役職ありきで人を決めるといったように変わっていますよね。当事務所もJOB型になって、そこに人を当てはめるような人事制度へ変わっていくと思います。こういった人事評価やITなど、新しいことも受け入れて対応してくれているのはとてもありがたいです。

話は変わるのですが、新しい取り組みとして「鬼滅の刃経営研究会」を運営されていますね。個の取り組みにはどのような背景があるのでしょうか。

鬼滅の刃が死ぬほど好きな社会保険労務士の高橋謙一さんと、経営者のコーチングをしている公認会計士の山田寛之さんの3名で、noteで鬼滅の刃から学べるビジネスや経営に役立つ記事を発信しています。現在、月間PV1万5千、フォロワーは4900人です。

鬼滅の刃は、鬼を絶滅させるという高い目標をかかげ、仲間と共に、失敗を含めた経験を通して学び成長するストーリーです。これが、中小企業の経営者が、一つの理念を掲げて組織を作り、失敗を繰り返しながら組織を成長させるストーリーにリンクしていると気づきました。そこで、経営やビジネスのノウハウを本を読んだりして学ぶ機会がない経営者やリーダーに向けて、馴染みのある漫画から学んでいただきたいと思って始めました。

それと、単純に私がとても好きだからです。これほど好きになれるものは久しぶりで。(笑) この熱量を何かに活用しないともったいないというのも大きなきっかけですね。

この記事を見ていただく方の学びになり、最終的に中小企業の発展に少しでも貢献できれば、嬉しい限りです。

▶鬼滅の刃経営研究会

メッセージ

税理士はAIに取って代わられるというのは、半分真理でもあり間違いです。それに気付いている方はもうたくさんいらっしゃると思いますが、それに気づいたら答えをみつけないといけません。世の中の動きを見て、チャレンジをしていかないとAIに取って代わられます。チャレンジしてみると、たくさんの壁にぶつかり、打たれます。しかし、打たれて分かることもたくさんありますから、これからもお客様のニーズにこたえるという軸は大切にしながら、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいと思っています。

編集部より

お客様はもちろん、所員の皆さま、そして提携先とのコミュニケーションや信頼関係を大切にされていることが伝わってきて温かさを感じました。お客様も、この温かさや安心感を感じているのではないかと思います。新たなチャレンジについても応援しています!

税理士法人矢崎会計事務所/株式会社絆コンサルティング

●設立

1948年2月

●所在地

東京都練馬区旭丘1-67-2 YAZAKIビル101号

●理念

関わるすべての人たちの笑顔を結ぶ「幸せ」の懸け橋

●企業URL
https://yazaki-kaikei.com/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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■監修 税と経営の顧問団租税調査研究会
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