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中小企業の夢の実現に向けて経営者と深く関わる【アカウンティングフォース税理士法人 加瀬洋氏】

今回は、アカウンティングフォース税理士法人代表の加瀬洋氏にお話を伺いました。「会計の力」を強みに中小企業のサポートをする同社が掲げているのは中小企業の夢の実現。個人事務所から30名規模にまで拡大をした同社の強みに迫ります。
(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 村松)

個人事務所を引き継ぐところからのスタート

監査法人、戦略系コンサルティングファームを経て、40歳くらいで自分の組織が欲しいと思い始めました。独立をするとなると今動かなければ間に合わないと思って前職のドリームインキュベータを退職、独立をしました。しかし私が退職した直後に会計事務所を経営していた私の親戚が亡くなりました。もともとその事務所でいとこの2人が働いていたのですが、資格がなかったこともあって、税理士の兄と共にそちらの事務所に加わることになりました。今では30名近い組織となりましたが、当時は6名のうちの4名は同族というところから始まったのです。

どのような事務所にしたいと考えていらっしゃいましたか。

世の中の税理士がやっている仕事の枠を越えたサービスを提供したいと考えています。申告メインではなく、社長が欲しているサービスを提供していきたいという思いは今でも変わりません。

アカウンティングフォースは、「会計の力」。会計税務を強みとしながら、記帳代行に留まるだけでなく、過去のデータを使ってコンサルティングを行い、中小企業をサポートしていきたいです。

今は会計税務顧問業務とコンサルティング業務の2つの軸で経営しています。会計税務顧問業務は、記帳代行、毎月の税務顧問、年一回の申告、資金調達のお手伝い、管理会計のアドバイザリーなど多岐に渡りますが、やはり売上の核は記帳代行と申告業務です。一方コンサルティング業務はIPOの支援、経理部の立て直し、管理業務全般を引き受けています。

現在はこの2軸ですが、私は、これらは将来的には双方で近づいていくべきものだと思っています。会計税務の方は将来的にAIに取って代わられて、記帳代行の価値は減少していくという見方が強いと思います。それに抗うのではなく、これから起きるテクノロジーのイノベーションをむしろ加速させ、数字を使ったアドバイスや経営指南をしていきたいと考えています。

従来業務からの決別~日本一の税理士法人を目指して~

昨年9月の決算時に弊所内で次年度についての指針を出したのですが、そこで掲げたのは会計税務顧問業務に関しての「従来の仕事からの決別」。まず、人によっての差を無くすことができるような仕組みを作りたいと思っています。そのための具体的な目標として、入力業務ゼロを目指してクラウド会計をもっと活用していくつもりです。

これまでの会計ソフトは、今ある業務をソフトへどう反映させていくかという点がポイントでした。クラウド会計は、会計ソフトに合わせた業務フローに社長と会社が変えていく必要があるのですが、社内の業務をリデザインできたら社内の統制上も良いと考えています。また、クラウド会計によって従来よりも会計税務業務が短時間で完了することで会計事務所としてさらに付加価値の高いサポートへ注力することができます。

日本一の税理士法人を目指して、会計・税務から得られる示唆をお客様に提供し、お客様ご自身が主体的に動けるようサポートしていきます。前職のドリームインキュベータでの業務は、ある側面では“ふわっと”したものを整理・見える化するというものでした。会計・税務において、”ふわっとしたものを見える化する”という経験をしている方は少ないと思いますし、これが当社の強みにもなると思っています。

「中小企業の夢の実現」を主軸に

経営指南やクラウド会計の導入など今までの会計事務所の枠を取り払ってニーズにこたえていらっしゃるとのことですが、一番大切にされていることは何でしょうか。

一番やりたいことは「中小企業の夢を実現する」こと。お客様の助けになるのはもちろん会計がベースになりますが、事業計画や資金繰りに関係のないところからも人としての関わりを増やしていきたいです。

先日も、ある社長がこのタイミングで居酒屋を出店しました。しかし、社長自身、その出店準備に大変ご苦労されていらっしゃった。翌月曜日にオープン予定でしたが、私も気になったので金曜日に見に行ったら、まだオープンに向けてやるべきことが多くありそうな状況。そこで、店舗の中の掃除を一緒にしながらお話を聞きました。経営者の方と深い関わりを持ちたいと思っています。

ドリームインキュベータでは、すでにお金持ちの方を更にお金持ちにしても日本は元気にならない。それよりも中小企業やベンチャー企業を支援して、日本を元気にしたいというひとつの考え方がありました。そういったマインドを私も受け継いでいます。

経営者の方と深いかかわりを持つために大切なことは何でしょうか。

会計や税務の必須スキルや知識は、時代と共に変わっていくものです。現に30年前はPCもない時代。そしていまクラウド会計が出て、今後はAIの発展で更に変わっていくでしょう。

その中で不変のスキルとは何かというと「スキルを身につけるスキル」なのではないかと思います。業界の平均年齢が高いので、他の業界に比べると新しいものをキャッチアップしていくのは苦手とされる方が比較的多いのではないでしょうか。でもその点、新しいものを取り入れる力を持っている当社には逆にチャンスといえます。今もいくつかクラウド会計があり、どこが残っていくかは分かりません。しかし、どこに賭けるのかということではなくて、「新しいものを取り入れていくスキル」を高めていけば、その時々で一番優れたものを取り入れることができます。

年齢が上がるほど、新しいものを取り入れるのは億劫になりますが、それでもお客様である経営者は世の中の新しいものをどんどん取り入れていらっしゃいます。それにアドバイスするなら、私たちも同様でないといけません。

そしてもう一つの不変のスキルは、人間力です。人と人との結びつきや、人と関わりを持つためのスキルは、時代が変わったとしても変わることはありません。笑顔で挨拶をしてくれることはいつの時代でも良い印象を持たれます。所員にも、お客様と接する中で、相手の不安に寄り添ってあげられる人であってほしいです。

「自責」を知って、経営が変わった

お話しいただいたビジョンを実現するためにどのようなことに取り組んでいらっしゃいますか。

朝礼と月に1回の勉強会で会社の理念を浸透させています。以前は朝礼で話すときに、税金の注意事項など連絡を話すことが多かったのですが、今は、社員が元気になり、組織が一丸となれるような話をするように心がけています。

きっかけは、盛和塾で稲盛和夫さんの経営哲学を学んだことでした。たくさんの学びがあったのですが、中でも一番私に刺さったのは「社員を惚れさせる」という言葉。私は経営者として社員から「この人についていきたい」と思われる人間なのかと考えてみたのですが、まだまだ力不足だと痛感したのです。そこで、自分にとってこういう人と仕事をしたいとか、こういう考え方が素敵だなと思ったことを集めて、それを社員に共有するようにしています。

監査法人にいた頃、私はほぼ怒らず、どちらかと言うと優しい先輩的な立ち位置だったと思います。仕事で怒っても仕方ないと思っていたからです。その頃は人間味があると思われていました。しかし、ドリームインキュベータでロジカルシンキングが必要になるにつれて、人の感情や「和」よりも結果を求めるようになっていました。頑張ったかどうかは関係なく、結果が全てだと考えていたのです。しかし、先ほどの稲盛和夫さんの言葉や、私のメンターの上司の方と話して考え方が変わりました。その方には「うちの社員がこんなことやるんですよ。」と愚痴をこぼしたきにも、こちらの話を全部聞いてくれた上で「それがお前のレベルだ。お前の頑張りや愛情が足りないからそうなるんだ。」と言われました。

その結果、今ではもし所員が結果を出せない場面があったとしても「自責」の念が重要だと考えるようになりました。所員でなく、私に責任があると考えるということです。このように考えることでどうすればより良くなるのか、と改善を試みています。

全従業員の物心両面の幸せを追求する

最後に、今後の展望についてお願いいたします。

全従業員の物心両面の幸せを追求したいと思います。もちろん利益にもこだわりますが、それよりも所員一人ひとりが楽しく、今まで以上に熱意と覚悟を持てるようになることを目指しています。

会社では毎朝みんなで掃除をし、私はできるだけトイレ掃除をしようと心がけ、所員が使わせてもらっている、ありがとうという気持ちでやっています。そういった気持ちというのは、表情やトーン、雰囲気に出ます。そしてそれは所内での人間関係やお客様との関係をより良くしていきます。ただ、こういった事を意識せずにできるレベルにはまだ程遠く、日々の精進が大切だと感じています。

各個人の能力の違いは、優劣を付けるものではなく、役割分担によって解決すべきものです。それよりも皆んなとともに愚直な努力をしていきたい。その努力のベクトルをどこに向けるかは経営者の役割だと思います。所員と目標という山に向かって登るわけですが、どの山に登るかということがとても重要になってくるのだと思います。

仕事を通じてお客様と関わる過程で、本当に嬉しい、この仕事をしてよかったと思える瞬間があります。皆で努力をしながら山を登り、その過程を社員とも楽しんでいきたいと思っています。

【編集後記】

クライアントや所員の皆様と中小企業の夢を実現し、元気の輪を広げていかれるのだろうなという勢いを感じました。加瀬代表ありがとうございました!

アカウンティングフォース税理士法人

●設立

2012年4月より事業承継
2015年10月より税理士法人化

●所在地

東京都千代田区神田小川町二丁目4番地16 いちご神田小川町ビル3階

●理念

中小企業の夢を実現する

●企業URL

http://accounting-force.com/

 

著者: KaikeiZine編集部

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