定番の需要には新たな切り口によるビジネスチャンスの可能性が存在しています。第30回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、前回に引き続き、20個の定番の需要をご紹介します。
新しいビジネスの可能性
前回の続きをご紹介する前に、その可能性について少し補足しておきたいと思います。
「定番」と聞くと少し古い印象、さまざまな商品やサービスが生み出されていて今更感が、と思われるかもしれません。
しかし、じつは尽きることのない新しいビジネスの可能性の宝庫なのです。
例えば、今やライフスタイルの一部になりつつあるYouTube。
さまざまな種類で溢れかえっているように見えますが、高い再生回数を誇るものの多くは、美容や受験対策、英語習得などこれまで他の媒体やツール上で流行っていたものが占めています。
つまり、カテゴリーや内容はそのままにツールだけを載せ替えることで成功しているのです。
もちろん、SNSに限ったことではありません。
リアル→デジタル、またはその反対に置き換える、別の手段・手法を用いるなどアレンジを加えることで、定番の需要はいくらでもチャンスを生み出すことができるのです。
定番の需要の種類
前回は⑥のプチ贅沢までご紹介しました。
引き続き、⑦より説明していきましょう。

⑦ 謎解き
近年テレビではクイズや脳トレ番組が一気に増えました。
一昨年広告収入がインターネットに追い越されたことなどから、番組制作に多額の制作費がかけられない事情もあって、低コストのクイズ番組に脚光があたっています。
「日本の広告費の推移グラフ」
https://media-radar.jp/contents/meditsubu/ad_cost/
なぜ、クイズや謎解きが定番になるのか。
もちろん、コストの問題だけではありません。
その答えは人間の脳のしくみにあります。
脳は、「中途半端な状態」に耐えることができません。例えば、ビデオの録画が10分前で終わっていて、イライラしてしまった経験があると思います。
続きが気になって仕方がない。ドラマや映画の予告編なども同様です。
この人間心理が変わることはありません。
⑧ クジ・クーポン
いわゆる「射幸心」です。
宝くじに興味がなくても、もしだれかに宝くじをもらうようなことがあれば、当選発表日につい確認してしまうのが人間の性です。
ここには以前ご紹介した「サンクコスト」も絡んで きます。
せっかく貯めたクーポンや費やした時間がもったいない、などです。
そうした人間心理をついて着実に右肩上がりを続けているビジネスが
いくつもあります。
「ガチャガチャ産業の市場規模の推移」
https://onl.tw/A2RQuKM