■個人:相続税・贈与税がかかるとき
課税されるのは所得税・住民税だけではありません。「故人から仮想通貨を相続した」「遺言書で故人から仮想通貨を受け取ることになった」なら相続税、「生きている人から無償で仮想通貨をもらった」なら贈与税がかかります。なお、国内の取引所にある分だけでなく、海外にあるものも対象です。
●評価方法は2つ
相続税なら「仮想通貨の持ち主が亡くなった時点」、贈与税なら「元々の持ち主から仮想通貨を贈与された時点」の時価で評価します。ただし、評価する前に、仮想通貨を次の2種類に分けます。
1つは「活発な市場が存在する仮想通貨」です。ビットコインやイーサリアムのように、頻繁に売買される仮想通貨は取引所の取引価額で評価します。取引価額で客観的に価値を図れるからです。
もう1つは「活発な市場が存在しない仮想通貨」です。こちらは内容や性質などを見て、過去の売買実績や専門家の意見を参考にしながら評価します。
●データサイトで相場は分かる
日本の大手仮想通貨取引所であるビットフライヤーによれば「2020年12月時点で仮想通貨は1900種類以上ある」とのことです。日本の取引所で扱っている仮想通貨は、ほんの一部に過ぎません。
しかし、仮想通貨のデータサイト「コインマーケットキャップ」には、1千種類以上の仮想通貨の取引価格が表示されています。「たいていの仮想通貨は市場価格で評価できる」と言ってよさそうです。
■法人:法人税がかかるとき
法人が保有している仮想通貨も、売買や交換・使用、価値のある仮想通貨の付与などで利益が生じれば、課税対象となります。課税されるタイミングは、ほぼ個人の所得税・住民税と同じです。ただ、法人に関してはもう1つ、課税される場面が加わります。期末です。
●法人の仮想通貨は「原則、期末に時価評価」
「活発な市場が存在する仮想通貨」は、有価証券や外国為替と同様、期末換算が必要です。仮想通貨の種類ごとに期末で時価評価を行い、差損益を計上します。そして翌期になったら洗い替えです。この処理は現物取引だけでなく、信用取引でも行います。
一方、活発な市場が存在しない仮想通貨は、取得価額のままとなります。ただし、市価が存在しない仮想通貨は非常に少ないと言っていいでしょう。
●預かり仮想通貨は期末評価不要
この期末評価が必要なのは自社で保有している仮想通貨です。顧客から預かった分の評価替えはいりません。



