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滞納回避 許可された猶予を取り消されないノウハウ

せっかく許可を受けた猶予制度を利用していても、猶予許可が取消しになったり猶予の期間が短くなったりする場合があります。そこで、元国税徴収官の経験から、気を付けておくべきポイントをまとめました。

前2回は猶予制度の申請ポイントや猶予を受ける際のポイントとなる納税者の個々の実情とは何かについて説明しました。

今回は、どのような場合に猶予が取り消されたり猶予期間が短縮されたりするのか、また、すでに分割納付をされている方については、その分割納付計画を変更する場合や猶予期間を延長する場合等について説明しますので、少しでも延滞税の負担を抑えられるように役立ててください。

まず、猶予が取り消されたり猶予期間が短縮されたりする場合ですが、次のいずれかに該当するときは取消し又は期間が短縮されます。

① 納税者の財産に強制換価手続(競売・公売)が開始されたときや、法人である納税者が解散したときなどのように、繰上請求(国税通則法第38条)の事由に該当する事実がある場合に、納税者が猶予に係る国税を猶予期間内に完納することができないと認められるとき。

② 納税の猶予許可通知書や換価の猶予許可通知書により通知された分割納付金額をその分割納付期限までに納付しないとき。

ただし、災害や病気等による売上の減少や想定外の支出、取引先に対する売掛金等の回収遅れ又は回収不能や契約の相手方の都合による契約解除など、猶予を受けた時点において予見できなかった納税者の責めに帰することができない事実が発生したことにより、予定していた入金がなく、分割納付金額をその分割納付期限までに納付することができなかったときは、税務署長がやむを得ない理由があると認め、猶予が取り消されない場合もあります。

③ 担保を提供して猶予を受けている場合において、税務署長から増担保の提供や保証人の変更等を命じられた際に、その指定された期限までに応じることができないとき。

ただし、他に提供できる担保がないなどの事情により命令に応じることができない場合はこの限りではありません。

④ 新たに猶予国税以外の国税を滞納したとき。

ただし、上記②のただし書きのような、納税者の責めに帰することができない事実が発生したことで予定していた入金がなかったり、猶予を許可された時から新たに納期限が到来した国税の納期限までの期間が短く、その間に納付資金を確保することが困難であったりなどの事情により、新たに納期限が到来した国税を納期限内に納付できなかったときなど、税務署長がやむを得ない理由があると認めるときには猶予は取り消されません。

⑤ 猶予の申請書又は添付書類に、猶予該当事実がないにもかかわらず猶予該当事実があるように記載したり、所有する資産を記載しなかったり、又は存在しない負債を記載するなど、故意に虚偽の事実等を記載し、又は記載すべき事実等を記載しないで偽りその他不正な手段により猶予申請又は延長申請をし、それが判明したとき。

⑥ 納税者の財産状況その他の事情の変化によりその猶予を継続することが適当でないと認められるとき。

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