期限を過ぎて納税をすると延滞税がかかります。その延滞税が免除される場合について、元国税徴収官が分かり易く説明します。

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延滞税とは

税金が定められた期限(納期限)までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

延滞税は、法定納期限内に完納した納税者との負担の公平を図るものであるとともに、国税の早期完納を促進する等の機能を有しています。

延滞税の免除とは

国税通則法第63条に延滞税の免除は規定されています。

延滞税の免除は、各種の納税の緩和制度の適用を受けた場合に免除を行うといったように、納税緩和制度とは密接な関係があります。

国税通則法第63条1項から3項までは、災害等による期限の延長や納税の猶予または換価の猶予などの場合の延滞税の免除を、4項から5項では、滞納処分がされる状況で納付を強制する必要性の乏しい場合の延滞税の免除を規定しています。

例えば、滞納処分において、国税を充足する差押えまたは税額に相当する担保が提供されている国税については、その差押え又は担保の提供がされている期間の延滞税の金額の2分の1に相当する金額を免除することができると規定されています。これを「充足免除」といいます。

また、6項では震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、国税を納付することができない事由が生じた場合には、その事由が生じた日からその事由が消滅した日以後7日を経過した日までの期間に対応する部分の金額を限度として延滞税を免除することができると規定されています。

ここでポイントですが、下線部の「その他これらに類する災害」には、税務職員の誤った申告指導(納税者が信頼したものに限ります。)等による場合が含まれます。これを、「誤指導免除」といいます。

免除は税務署長の職権

延滞税の免除は税務署長の職権で行われます。

納税者からの申請に基づいては行われませんが、納税の猶予や換価の猶予の申請時に国税に見合う担保提供をすることで、延滞税免除を受け納付額を少なくすることは可能です。