納税の猶予または換価の猶予の免除

納税の猶予または換価の猶予をした場合において延滞税が免除されるのは、その猶予をした国税に係る延滞税の納付が困難であり、かつ、納税者が以下のいずれかに該当する場合です。

・納税者の財産の状況が著しく不良で、その事業の継続又は生活の維持が著しく困難になる場合。

・納税者の事業又は生活の状況に延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由があるとき。

「財産の状況が著しく不良」とは、納税者が債務超過に準ずる状態になった場合をいいます。

「延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由」とは、猶予に係る国税について、不要不急の資産の処分、経費の節減等の相当の努力をしたにもかかわらず、その国税に係る延滞税の納付が困難となっていると認められる場合をいいます。

これらの判断は、税務署が免除をしようとする時における納税者の状況により行います。

充足免除

国税を充足する差押え等がされている場合とは、差押えられた財産または提供した担保の額がその差押え等に係る国税の額以上と判定できる場合をいいます。

充足免除は、差押え等に係る国税の本税額の全部が納付されて、延滞税を徴収しようとする時において行われます。

誤指導免除

「人為による異常な災害又は事故が生じたことについて」とは、納税者の意思に基づかないことが客観的に明らかであり、納税者は責任を負わないことが事実認定される必要があります。

事実認定にあたって税務署は、国税の納付や納税申告書の提出ができなかったことについて、人為による異常な災害または事故との関連性とその災害等の発生についての責任の所在を十分に検討します。

したがって、税務署が延滞税の免除の要件に該当することについて確認ができるように、納税者の側においても事実関係の説明や証拠資料等の提出等において積極的に協力することが大事です。

具体的には、次のような場合があります。

1.誤指導

2.申告書提出後における法令解釈の明確化等

3.申告期限時における課税標準等の計算不能

4.振替納税に係る納付書の送付漏れ等

5.その他類似事由

納付委託

滞納税金を手形等によって分割納付するような場合(納付委託)についても、国税通則法第63条第6項第1号の規定に準じて免除があります。

免除の時期および通知

延滞税の免除は、免除されることとなる国税の本税額が完納され、延滞税を徴収しようとするときにおいて行われます。

延滞税の免除があった場合には、免除に係る国税の年度、税目、納期限、金額及び免除期間等を記載した「延滞税免除通知書」によって納税者に通知されます。


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