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「配偶者居住権は節税になる」は本当か?相続税評価のしくみから解説(後編)

2回にわたってお伝えする配偶者居住権の相続税の取扱い。後編では「なぜ節税になるといわれるのか」を解き明かし、リスクについても解説します。

■「配偶者居住権が節税になる」と言われる理由

前編はこちら▶「配偶者居住権は節税になる」は本当か?相続税評価のしくみから解説(前編)

「配偶者居住権を設定する」ということは、自宅不動産を「配偶者の利用権部分」「所有者の所有権部分」の2つに分けて相続するということです。そのため、配偶者居住権部分と所有権部分それぞれに相続税がかかります。一見あまり得していませんが、配偶者居住権特有の性質により、二次相続での相続税を抑えられるのです。

前編でお伝えした「配偶者居住権は、設定期間の満了や配偶者自身の死亡によって消滅する」を、絵にしてみましょう。次のようなイメージになります。

ここで、配偶者居住権を終身で設定した場合を考えてみましょう。自宅の一次相続・二次相続での課税は次のようになります。

【一次相続】

当初の自宅の持ち主の死亡のとき、配偶者居住権を設定すると、自宅は「配偶者居住権」と「所有権」に分けて評価をします。そして、住む権利と所有権それぞれに相続税がかかります。

【二次相続】

配偶者が死亡すると配偶者居住権は消滅します。同時に、所有権者は自宅を売ったり貸したり自由にできるようになります。この自由度が増えた部分について、相続税はかかりません。元から存在していた所有権が自由度100%になったに過ぎないからです。

つまり、配偶者居住権を設定した分だけ、二次相続で相続税を抑えられるのです。

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