⑫回避欲求 

失敗したくない、嫌なことを避けたい、恥をかきたくない。
この欲求に応えているのが、いわゆるハウツー本全般です。
これをやれば大丈夫、短時間で問題を解決する、といったものです。

例えば、人間関係で失敗したくない。
時代を超え、数あるハウツー本の中で今なお売れ続けているのがD・カーネギーが著した「人を動かす」。1937年の発売のロングセラーです。

「人を動かす」D・カーネギー/創元社
https://www.sogensha.co.jp/book/b10138632.html

⑬保持欲求 

失いたくない、若さや健康を保ちたい。
今の状態を保ちたい、いわゆる「現状維持欲求」です。
この欲求に応えているのが、ポイントサービスやアンチエイジングといったビジネスです。

ポイントサービスはすでに2兆円を超え、アンチエイジング市場も1兆円に迫る勢いです。(2020年時点で約8,600億円)

いずれの市場も右肩上がりを続けており、今後も拡大しそうです。

⑭対立欲求 

人と違うことをしたい、他人に負けたくない。
⑤の同調欲求の反対の欲求です(これに限らず、人の欲求の多くは表裏一体のものが多い)。

この気持ちを見事にカバーしているのが、ゲームやランキングといったもの。
特にゲームは、いわゆる「eスポーツ」の大きな広がりによって、今や全世界レベルで爆発的な拡大を続けています。

⑮不可侵欲求

自分だけの空間が欲しい、他人に邪魔をされたくない。
この欲求を数値化したものが、パーソナルスペースと呼ばれるものです。

  • ・親密ゾーン(恋人):0.45m以内
  • ・対人的ゾーン(友人):045m~1.2m
  • ・社会的ゾーン(上司):1.2~3.5m
  • ・公的ゾーン(他人):3.5m以上

飲食店などの個室、テーブルピッチを広く取っているホテルのラウンジなどがまさにこの欲求に応えています。

現在では新型コロナウィルス感染症の拡大によって、パーソナルスペースの距離にも影響が出ているともいわれています。

パーソナルスペース/カオナビ<人事用語集>
https://www.kaonavi.jp/dictionary/personal_space/

⑯劣等回避欲求/⑰保身欲求

人にバカにされたくない、自分の間違いを認めたくない。
注意されたくない、攻撃されたくない、自分は悪くないと思いたい。

⑫の回避欲求と近い欲求ですが、これには「他人」が関係しており、いわゆる「恥」の感情と接続しています。

近年では、「自己保身社会」と呼ばれるように、とにかく失敗や自分が劣っていることを知られたくない気持ちがさらに強さを増しています。

その結果、できるだけ失敗しないように予め準備をしておく。
もしくは、失敗したときの理由や言い訳を考えておく。
そうした傾向が顕著になっています。

⑱自己顕示欲求

人から注目されたい、人をアッと驚かせることをしたい、自分の名前を覚えてもらいたい。
⑨の自己認知欲求の反対で、自分ではなく、他者に自分を知ってもらいたいという欲求です。
この欲求が当てはまるのがご存じのとおり、YouTubeをはじめとするSNS全般です。
マスコミュニケーションが縮減し、個人メディアが拡大する中、この欲求は連鎖反応的に強まりそうです。

 

以上、人間の欲求について⑱自己顕示欲求までご紹介しました。
次回は引き続き、⑲優越欲求からご説明していきます。


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