この連載では、IPOを目指すJ-SOX導入プロジェクトを担当される方々が、具体的にどのようなアクションをとればよいかを説明します。
IPOを目指す際に、最も苦労する作業といわれるJ-SOX導入。「J-SOX導入プロジェクト」を担当される実務家の方が「何をすれば良いのか」、「どのように進めれば良いのか」といった具体的なイメージを描けるよう、実際のゴールとなる「成果物」、「具体的なアクション」に焦点を当てて話を進めたいと思います。

はじめに

今回はJSOX導入に際して「評価範囲」の決め方について記載したいと思います。

JSOX基準では「財務報告に係る内部統制の有効性の評価は、原則として連結ベースで行うものとする」とされているため、連結財務諸表を構成する有価証券報告書提出会社、子会社、関連会社の財務報告に係る内部統制が評価範囲の決定手続を行う際の対象となります。内部統制の有効性の評価に当たっては、財務報告に対する金額的及び質的影響の重要性を考慮し、最終的な評価の範囲が決まります。

「評価範囲」の決定手順

評価範囲の決定に際してはまず「全社的な内部統制の評価」範囲を決定します。次に、決算・財務報告プロセス以外の業務プロセスの評価範囲について「重要な拠点」の選定を行い、重要な拠点に対して評価対象とする「業務プロセス」を決定するという手順で決定されます。

それぞれ、選定の考え方が異なりますので、監査法人との打ち合わせの際は、「どちらの話をしているのか」を明確にしながらディスカッションする必要があります。