IPO担当者必見!内部統制構築の奥義【第5回】J-SOXプロジェクトの成否を決めるもの
この連載では、IPOを目指すJ-SOX導入プロジェクトを担当される方々が、具体的にどのようなアクションをとればよいかを説明します。
IPOを目指す際に、最も苦労する作業といわれるJ-SOX導入。「J-SOX導入プロジェクト」を担当される実務家の方が「何をすれば良いのか」、「どのように進めれば良いのか」といった具体的なイメージを描けるよう、実際のゴールとなる「成果物」、「具体的なアクション」に焦点を当てて話を進めたいと思います。

はじめに
J-SOXプロジェクトの立ち上げで最初に求められる意思決定は社内メンバーの選定です。
プロジェクトの成否は「人選」でほぼ決まります。
IPOに向けたJ-SOX導入は、全社かつ複数年に及ぶ長期プロジェクトとなります。担当する部署はコーポレートセクション、経営企画室、経理財務、内部監査室が一般的となります。会社ごとに組織設計が異なりますので、どの部署がJ-SOX導入プロジェクトを担うべきとは一概に言えませんが、社内の複数の部署に対して、「積極的に意見発信ができる部署」が担うことが良いと思います。
今回はJ-SOXプロジェクトの「実務責任者の選定」について、J-SOX導入を効率的に成功させた会社の共通点をまとめたいと思います。
J-SOXプロジェクトを成功させる人材
J-SOXプロジェクトを順調に進めることができた会社の人選には共通点があります。それは実務責任者に以下の資質を持つメンバーを選定していることです。
- ①会社の業務をよく理解している (所属する部門だけでなく他の部門の知見も豊富、社内に顔が広い)
- ②フットワークが軽い(問題を抱えずにすぐに行動する)
- ③交渉力がある(ポイントを外さずに、合意できる落としどころを見つけることができる)
J-SOX制度に対する知見はプロジェクトの過程で徐々に集まりますので、実務責任者スキルとしては必須ではありません。コンサルティング会社等外部リソースの活用により十分賄うことができます。