評価対象となる「業務プロセス」の個別調整
選定された事業拠点及びそれ以外の事業拠点について、財務報告への影響を勘案して以下のような重要性の大きい業務プロセスについては、個別に評価対象に追加する場合があります。
a.リスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセス
例えば、財務報告の重要な事項の虚偽記載に結びつきやすい事業上のリスクを有する事業又は業務(例えば、金融取引やデリバティブ取引を行っている事業又は業務や価格変動の激しい棚卸資産を抱えている事業又は業務など)や、複雑な会計処理が必要な取引を行っている事業又は業務を行っている場合には、当該事業又は業務に係る業務プロセスは、追加的に評価対象に含めることを検討することが必要となります。
b.見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセス
例えば、引当金や固定資産の減損損失、繰延税金資産(負債)など見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスで、財務報告に及ぼす影響が最終的に大きくなる可能性があるものは、追加的に評価対象に含めることを検討することが必要となります。この項目については一般的にリスクが高いと判断されているため、評価範囲に含まれていない場合には監査法人から通常コメントが入ります。
c.非定型・不規則な取引など虚偽記載が発生するリスクが高いものとして、特に留意すべき業務プロセス
例えば、通常の契約条件や決済方法と異なる取引、期末に集中しての取引や過年度の趨勢から見て突出した取引等非定型・不規則な取引を行っていることなどから虚偽記載の発生するリスクが高いものとして、特に留意すべき業務プロセスについては、追加的に評価対象に含めることを検討することが必要となります。
まとめ
今回はJSOXにおける「評価範囲」について記載しました。実務上、評価範囲の決定はJSOX全体の作業工数を左右する重要項目となります。例えば海外の子会社等を有する場合、海外子会社の内部統制構築は国内の内部統制構築よりも労力を要するため、当該子会社が評価範囲に含まれるか否かは重要な論点となります。
評価範囲の決定は、JSOX全体の作業工数に大きな影響を与えるため、早期に監査法人と協議し、合意されることをお勧めします。
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