「感情社会」と呼ばれる今、ビジネスに必要なのは理論ではなく感情や感性です。
何より人の欲求を知ることが大切なのです。第36回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、人間の欲求の最終回です。

人間の欲求×33種類

前回は、㉕の「認知欲求」までご紹介しました。
今回は、最後の「変化欲求」までご紹介していきましょう。

㉖証明欲求

わからないことをはっきりさせたい。
人間の脳は、不明な状態や中途半端な状態を嫌います。
これは狩猟時代の名残で、今までに行ったことのない場所=不安や恐怖の対象と本能的に感じてしまうところからきています。

ビジネスに置き換えると、ドラマや映画の予告編などが当てはまります。
続きが気になってしまうのはこの欲求によるものです。
そのほか、スクラッチカードもこの普遍的な欲求を応用したものです。

スクラッチ/宝くじ公式サイト
https://www.takarakuji-official.jp/kuji/scratch/

㉗遊技欲求

遊びたい、騒ぎたい、楽しいことをしたい、好きなことをしたい。
幸福を追求する欲求の1つです。

新型コロナウィルス感染症の拡大によって外出や飲食が制限される中、駅前や公園などで騒いだりする人たちが絶えないのはこの欲求によるものです。(もちろん、褒められたことではありませんが)

非常にストレスが強い現代では、特に求められる欲求であり、テレビやYouTubeなどでももっぱら人気があるのがバラエティ性やゲーム性の強いコンテンツです。

実際ゲーム市場は、国内レベルで2兆円、世界レベルでは20兆円規模(2019年度比130%)にも及ぶ一大マーケットで、今後もさらに拡大することが予想されています。

世界ゲーム市場は初の20兆円の大台突破/gamebiz
https://gamebiz.jp/news/300622

㉘感性欲求

感動したい、美しいものを見たい、聞きたい、感じたい。
上述の遊技欲求と同様、新型コロナウィルス感染症拡大下で私たちはとても強いストレスを受けた結果、より感動的なものなど「感情を揺れ動かすもの」に興味を掻き立てられやすくなっています。

例えば、YouTubeにアップされる動物の動画や、美しい風景、感動的な出会いといったものです。

㉙物欲

欲しいものを手に入れたい。
成熟社会と呼ばれるようになり、若者を中心に車や家などを買わなくなったと言われていますが、どうやらその限りではないようです。

オタクに偏見ないZ世代、「推し」はコミュニケーションツールへ/withnews
https://onl.tw/Cdd41Xa

前回ご紹介したいわゆるZ世代を中心に、あらゆる分野での消費で“推し”が前提になっています。

「推し」と言えば、AKBなどのアイドルの特定メンバーを応援する意味で、いわゆる“オタク”と呼ばれる人たちの中で使用されているワードでした。
この言葉が今では一般化し、一大市場化したのが“推し”です。

「推し払いキーホルダー」/SONY
https://www.sony.co.jp/Products/felica/osk/