ユーチューバーなど、自宅を事業所として仕事をしている個人事業主は多い。その場合、家賃や減価償却費、固定資産税、火災保険等など「家事関連費」として経費計上することができる。しかし、事務所兼自宅という環境で収入を得ている場合、仕事とプライベートがとくにごっちゃになりがちで、収入から差し引ける必要経費に税務署の厳しい目が向けられている。
家事関連費を必要経費にするには
個人事業者の確定申告でよく問題になるのが「家事関連費」。家事関連費とは、事業用と個人用の両方にかかる出費のことで、家賃や水道光熱費、駐車場代、ガソリン代、インターネットや携帯電話などの通信費がこれに当たる。
家事関連費は原則として経費不算入だが、「取引の記録などに基づいて業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合」には、その区分できる金額についてのみ必要経費にできることとされている。つまり、家事関連費を必要経費に算入するには、まず、かかった費用を仕事用とプライベート用に明確に区分し、按分する必要があるというわけ。ここでは、自宅兼事業所にかかった費用の按分方法を考えてみる。
家賃を経費にできるか…?
家事関連費の中でもとりわけ税務署の目が光っているのが、自宅兼事業所で収入を得ているケースだ。自宅兼事業所に関連する費用は、賃貸住宅の場合は家賃や更新料、持ち家の場合は減価償却費や借入利息、固定資産税、火災保険料、修繕費などが挙げられる。
自宅で仕事をしているからといって、これらの費用を全て必要経費に算入するのはNG。必要経費にできるのは、あくまで「取引の記録などに基づいて業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合」に限られる。プライベートと切っても切り離せないこうした金額から「事業用部分」を抜き出すことはできるのだろうか。