事業再構築補助金の第2回公募の採択結果が発表されました。第1回の結果と比較しながら、採択結果と読み取れる傾向をまとめました。今後の事業再構築補助金の申請の参考にしていただければと思います。
■第2回事業再構築補助金の採択率と第1回との比較
事業再構築補助金の第2回公募について、緊急事態宣言特別枠、通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠に分けて採択結果が発表されております。
それぞれの枠の応募数、採択数、採択率をまとめると次のようになります。
事業再構築補助金第2回公募の結果について(事業再構築補助金事務局)より集計
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou02.pdf
第1回と同様に「要件を満たした件数」が公表されています。これは、申請にあたって不備があったため、申請の要件を満たさなかったものとなります。主な不備としては、次の例が挙げられています。
・売上高減少要件に必要な月別売上高が証明する書類が添付されていない。
・「認定経営革新等支援機関による確認書」 に記載された法人名等が申請者と異なる。
・添付された書類にパスワードがかかっている、ファイルが破損している。
全体で見ると「約12%」が要件を満たしていないとして採択されていません。第1回では、要件を満たしていないのは「約13.5%」でしたので、大きくは減っていません。
申請にあたっては、提出前に書類が全部揃っているか、ファイルが開けるかなど確認していただきたいと思います。その際には、書類の抜け漏れがないようにできる限り複数人でチェックされることをお勧めします。
第2回の応募数は、約2万件でした。第1回は2万2千件でしたので、若干減っています。内訳を見ると、緊急事態宣言特別枠は増えていますが、通常枠は減っています。緊急事態宣言特別枠は補助金上限が通常枠より下がりますので、申請額が比較的少額の応募が増えたと考えられます。
第2回の採択数は約9300件で、採択率は「44.9%」です。応募数からすると5割弱が採択されています。第1回の採択数は約8千件で、採択率は「36.1%」でした。比べると採択率は9%近く上がっています。
内訳を見ると、通常枠の採択率は30.1%→36.3%、緊急事態宣言特別枠は55.7%→66.6%といずれも上がっています。特に緊急事態宣言特別枠の採択率の上昇が顕著で、第2回ではおよそ「2/3」が採択されています。これらの採択率は応募数をもとに計算をしていますので、要件を満たした件数をもとに採択率を計算すると、緊急事態宣言特別枠では「77.3%」となります。
緊急事態宣言特別枠は、書類の不備がなければ高い確率で採択されていたことが分かります。
<参考>第1回公募の応募数、採択数、採択率
事業再構築補助金第1回公募の結果について(事業再構築補助金事務局)より集計
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou01.pdf
第3回からは、新たに最低賃金枠が設けられます。これは最低賃金引上げの影響が大きい企業を対象に、補助率の引き上げや採択率の優遇などがなされるものです。申請にあたっては「最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること」などの要件があります。次のように、補助率は引き上げられますが、補助上限額は通常枠に比べて低くなります。
補助率 中小企業:3/4、中堅企業:2/3
補助上限額 従業員数5人以下:500万円、従業員数6~20人:1千万円、従業員数21人以上:1500万円
最低賃金枠は、緊急事態宣言特別枠のように採択率が高くなると想定されますが、上記のような要件がありますので応募数はそれほど多くならないのではないか、と推測しております。