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不動産×財務を通じ、ビジネスドクターとしての役割を果たす。医者を志した公認会計士のキャリアと展望 【税理士法人アセットプライム 代表 杉浦直樹氏 】

今回の実力派会計人は、公認会計士・税理士の杉浦直樹氏。大手証券会社や監査法人を経て、2008年株式会社アセットプライムを設立。不動産コンサルティングや、法人向け税務コンサルティングサービスを行っている。2021年には医療法人社団NEOクリニック東京を立ち上げ、次世代型のオーダーメイド治療活動にも力を入れている。医療と財務は本質的には同じだと語る杉浦氏のこれまでのキャリアと今後の展望に迫ります。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

医者を目指すも、挫折を経て得たもの

公認会計士を目指したきっかけを教えて下さい。

杉浦:幼い頃は愛知県の田舎にいたので、虫取りに夢中になったり、川で魚を捕ったりして、自由にのびのびと育ちました。しかし両親が学習塾を経営することになり、中学受験クラスを作ったのですが、当時小学5年生だった私がその実験台となりまして(笑)、受験コースの一期生となりました。絶対合格しなければいけないというプレッシャーの中、受験環境の整った都会の小学校に転校させられたのですが、これがかなりのカルチャーショックでしたね。都会の子たちの話はませていて大人っぽく、勉強もできて、服装もおしゃれ。そんな周囲の子どもたちの様子には驚きました。みんなに馴染もう、追いつこうと必死でした。

なんとか中学受験をクリアして進学校に進むことになり、一期生としての役目を果たした時は心底ホッとしました。しかし入学後、勉強に嫌気がさして、趣味の釣りや自転車いじりばかりして、成績はどんどん落ちていきました。

高校に入り進路を決める段階になってようやく、自分や周りを意識するようになりました。当時私の周りには医者の息子が多く、「病で苦しんでいる人を助けたい」と情熱的に語る友人に影響を受けて、私も医学部を目指すことにしたのです。「私も医者になって、国境なき医師団に入ろう」と目標を定め、両親の反対も押し切ってそこからは勉強の日々を過ごしたのですが、結果はやはり不合格。浪人して再度目指しましたが、結果は変わりませんでした。いま思えば実力が付いていなかっただけなのですが、不合格になったときは失意の底という感じでした。

医者になれないことに落ち込んだというよりも、将来の目標が見えなくなってしまったことに失望しました。「苦しんでいる人を助けたい」というシンプルですが本質的な目標を断念せざるを得なくなって、くすぶる情熱を胸の奥底にしまうほかありませんでした。

その後、すべり止めにしていた私立大学の経済学部に入ったのですが、気持ちを切り替えて次なる目標を定めるのには苦労しました。そんなときに知ったのが公認会計士の資格。調べていくうちに会計士の知識があれば将来自営したときにも役に立つだろうと考えました。大学3年生から猛勉強を始めて、卒業して最初の年でなんとか合格をしました。

会計士試験に合格後は証券会社へ。自分の道を歩み始める

新卒で監査法人ではなく証券会社に行かれているのですね。

杉浦:はい。将来的に独立したいという気持ちがあったので、それまでの間にさまざまなスキルを身につけたいと思っていました。特に、独立した際に自分が苦手だろうと思っていたのは営業スキルです。ですから営業が学べる会社で、なおかつ、会計士としての知識も生かせそうなところがよいと考えて監査法人ではなく野村證券に入社することにしました。

ここでは、会社全体の財務を管理する主計部に配属されたのちに、取引企業の株式や転換社債を発行するエクイティ・キャピタルマーケット部に配属され、連日昼夜なく働きました。しかし、それまでの公認会計士試験制度は2次試験で会計士補、3次試験で公認会計士になれたのですが、当時は試験制度が変わる過渡期で3次試験が無くなり翌年までに試験に受からないとずっと会計士補のまま、という状況でした。ここで絶対に受からなければ再度、短答式からやり直すことになったため5年勤めた後、退職をすることにしました。

数カ月試験に集中し、公認会計士となったあとは新日本監査法人(現:EY新日本有限責任監査法人)に入所。3年の実務経験を積み、個人事務所を起ち上げました。

なぜかというと、当時スイス系のプライベートバンカーとして働いていた大学時代の友人が、担当している顧客をサポートできる会計士を探していて、その仕事を受ける箱として会計事務所が必要だったからです。主に企業オーナーとその資産管理会社へのコンサル業務を行いました。この仕事がきっかけで、不動産関連の仕事も始めることになりました。

2008年に株式会社アセットプライムを設立されています。

杉浦:アセットは資産、プライムは一番。証券会社にいたので金融商品のことは分かるし、財務と税務と不動産が分かれば資産の大半はカバーできます。資産の保全管理サービスの分野で一番になるという気持ちで名付けました。

設立のきっかけは、野村證券時代の友人と何かやりたいねと話していて、私が今後は不動産関係の仕事をしたいと伝えると彼が乗ってくれたからです。彼も不動産関係の会社に転職して、仕事を覚えてくれていました。ところがリーマンショックで彼の勤めていた会社が潰れてしまったので、それならいよいよ二人で会社を作るか!と始めました。

それまでは、不動産の賃貸仲介や売買仲介、不動産鑑定業務の手伝い、マンション開発、買い取り転売と、いろいろな案件を担当していました。ところが設立当時は肝心の仕事が全然無くて…(笑)。

景気も悪い上に、業歴も浅いので業者とのネットワークも弱い。赤字続きをなんとかしのぎ、2年目くらいからようやく売上が出るようになりました。当時はリーマンショックだったので家賃の引き下げなどのコストカットの提案がクライアントに受け入れられて、評価をいただけたことが大きかったです。

こうして顧客も少しずつ増えていき、財務コンサルだけでなく、税務申告や相続対策のお仕事もいただけるようになり、長期的にサービスを継続できる体制を整える必要があると考えて税理士法人アセットプライムを起ち上げました。2016年のことです。

財務は会社の医者的役割。杉浦氏の今後の展望

2018年に父をガンで亡くし、治療に対する疑問を抱く。

杉浦:元気だった父が胃ガンになりました。ガンというものを身近に感じたのはその時が初めてでしたが、その治療方法に疑問を抱かざるをえませんでした。日本の医療は保険診療がベースになっていて、統計的に大多数の人に効果のある治療のみが保険適用になっています。ガンの初期段階では保険診療でもいいのですが、ステージが上がり、ある段階になると治療の選択肢がなくなっていく。つまり進行すると保険診療ではほとんど「お手上げ」なのです。

父もステージ1だった頃は、保険診療でもいくつか選択肢も有り、自分に合う治療や薬を選べる状態で大病院に真面目に通っていました。手術後も薬で数値が安定していると聞いて、私もそれほど心配せずにいたのですが、ある時期からガンが急速に進行し、いつのまにか治療では無く、痛みを取り除くだけの緩和ケアになっていました。薬で眠らされ食事も摂れず、日に日に痩せ細り、会話もろくに出来なくなって最期を迎えました。

私は後悔しました。

もっと治療法をしっかり調べるべきだったと。せめて納得のいく治療を早い段階で受けさせたかった。その涙も乾かぬうちに今度は母に肺ガンが見つかりました。

そんなとき、たまたま中学の同窓会で大学病院のガン専門医として働いている友人に久しぶりに会いました。そこで保険診療ではなく自費診療なら、どの段階であっても治療の望みがあることを知りました。自費診療なので費用はかかりますが、その人のガンを遺伝子レベルで徹底的に調べ、そのガンにあった薬をオーダーメイドで作ることが可能となるのです。大学病院に勤める彼も、保険診療に行き詰まりを感じていたらしく、自費診療を行うクリニックをやってみたいと聞き、去年一緒に開設したのがNEOクリニック東京です。父が亡くなって2年後のことでした。

実際に患者さんがクリニックにいらして、治療を受けていくにつれ症状が改善して笑顔になっていく姿を見て、本当に開設して良かったと思っています。私の母もこのクリニックに通い始め、副作用からも解放され、毎月旅行に出かけるようになりました。

最近は、治療だけではなく「ガン予防」の分野にも力を入れています。

ガンの治療を始めるのは早い段階であるほど効果が高く、その意味では、発症前の「ガン予防」が最も効率がよいのです。遺伝子検査をベースとした各種疾病の発症リスクを計測して、徹底的に予防を行います。この「ガン予防」は当社に依頼いただいている経営者への高度な健康管理にも役立たせていただいています。企業の経営管理には、経営者の健康マネージメントも含まれると考えているからです。

大学受験の際には医学部を諦めた私が、今間接的に医療に関わることができているのは少し不思議ですよね。公認会計士や税理士は「ビジネスドクター」と言われることもあります。医者になることはできなかったけれど、財務を通じて企業の医者的役割を果たしていければ本望かな、と思っています。

 

【編集後記】 

財務という軸を元に、これまでのご経験の中で培ってきたスキル・人脈を活かし、新たな価値を世の中に生み出されているように感じました。杉浦先生、ありがとうございました!

税理士法人アセットプライム

●創業
2016年

●所在地
東京都中央区日本橋兜町1番10号 日証館2階

●理念

企業に奉仕する会計・税務・経営の専門家グループとして、クライアントの皆様方の良きパートナーとして、満足していただけるサービスを提供できるよう最善を尽くしていくことを掲げております。

●企業URL

http://www.assetprime.co.jp/tax/

▶医療法人社団NEOクリニック東京

 


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著者: KaikeiZine編集部

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