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自分が好きな自分でいよう―不眠と戦い、机に向かい続けたギャルサーの代表が公認会計士になるまで。【ギャル会計士おりさ/栗林 利紗氏】

今回ご紹介する実力派会計人は、公認会計士・栗林 利紗氏。SNSでは”ギャル会計士おりさ”として知られているが、金髪に巻き髪、長いまつ毛と煌びやかなネイル。ブランドものに包まれたその姿から一般的な“公認会計士”のイメージからはかけ離れていると言えるだろう。しかし、ギャルになったのも公認会計士になったのも“自信のなさ”という共通の思いからきていると栗林氏は語る。ギャルを極めたく進学校の道を選ばず、高専(高等専門学校)へと進学。その後、早稲田大学に編入するまで、そして不眠症と戦いながらも公認会計士試験に合格するまでの軌跡に迫ります。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

”可愛くない自分”を好きになりたかった…ギャルに目覚めたきっかけ。

栗林先生といえば、ギャル会計士。ギャルに目覚めたきっかけはありましたか。

栗林:ギャルになったのは、自分に自信がないから少しでも可愛くなりたいという気持ちがあったからです。私の幼馴染の親友がとても可愛くて、小さい頃に二人で歩いているとその子だけ可愛いと言われていました。子どもながらに自分は可愛くないと思っていましたね(笑)。そういった背景もあったかもしれません。私自身幼いころからキラキラしているものが好きだったり、派手なものを身の回りに集めたりするようになっていきました。

そして、専業主婦だった母からは、「女性は手に職をつけたほうがいいわね…」とよく言われていました。我が家は何かお金がかかるときは一家の大黒柱だった父に許可をもらわないといけない。父にお金のことで相談し顔色を伺う度に、母はその言葉を口にしていました。それもあって、幼少期から”独立心を持ち、自由に生きる”ということを意識するようになっていました。

そういった意味で、好きなことを極め、キラキラしていて強いイメージのあったギャルに憧れを抱くようになりました。私自身、雑誌を見ながら真似をしてギャルメイクをしていると、少しだけ自信がついたように感じることができました。

こうして中学生の頃にはギャルに目覚め、進学は地元・福島県にある高専(高等専門学校)と呼ばれる5年制の学校へ進学します。理由は、私には姉がいるのですが小さいころからとても優秀で、常に比べられていました。姉は地元では一番の進学校へ行ったので、姉とは別のところへ行きたいという気持ちがありました。

姉が行っていた進学校ではギャルを続けるのは無理そうでしたし、高専は5年間あるのでたっぷりギャルができると思っていたのも高専に進学した理由です。

思う存分ギャルを極めると決めてからは、ギャルサー(ギャルサークル)にも入りました。クラブを貸し切ってパラパラショーをしたり、人気ギャル雑誌『egg』のモデルを呼んだり…。

しかし高校1年生でギャルサーの2代目代表に就任したのも束の間、この頃から段々とギャルブームが衰退していきます。

高校3年生の頃にはギャルの流行も終わりを迎えて、雑誌で取り上げられることもなくなってきました。そうするとギャルサーにも人が集まらなくなっていき、その現実に向き合うのはとても寂しかったですね。それまでたっぷり遊んできましたが、このまま続けていても得るものは無いと思うようになりました。とはいえ、現実に戻れば学校の成績はビリ。

将来のことを考えたときに、大学に進学しようとこの時初めて勉強に力を入れることを決意します。未だかつてないぐらい勉強をして、早稲田大学に合格。高専を卒業して大学3年生として商学部へ編入しました。

「朝が来るのが怖い」プレッシャーから睡眠薬を服用しながら公認会計士を目指す

早稲田大学に入学するも、すぐに就職活動の時期を迎えます。

栗林:ものすごく苦労して東京の大学に合格。やっとの思いで上京したのですが、商学部にいる周りの優秀な同級生たちと自分を比べても何も秀でるところがない。ここでもまた劣等感を感じることになります。就職活動をしようか考えていた時に、母に言われていた「女性は手に職をつけたほうがいいわね…」という言葉を思い出しました。ちょうどその頃、商学部の授業のときに知った公認会計士という資格なら自分自身にスキルがつく上に、将来独立をして働けると思い、大学4年生のときから勉強を開始しました。

ここからが、人生の中で一番つらい日々の始まりでした。

卒業後はアカウンティングスクールに通っていたのですが、2年後の卒業時、周囲は合格していて就職先を選んでいたり、諦めた方も別の道で進路が決まっていました。皆、明るい未来が待っているのに、卒業時に自分だけ会計士試験に合格もしていなければ、就職先も決まっていない…。楽しんでいる様子も目にしたくなくて、論文式の勉強は実家に帰って籠ってしていました。

朝起きて、家からは一歩も出ず勉強の日々。鏡に映る、すっぴんでジャージの自分にため息をつきながらも、もう私には後がなくとにかく机に向かいました。

友達からの遊びの連絡も断り、外部からの情報を自らシャットダウンしました。自分で選んだ道とはいえ孤独でした。また、苦手な科目はどんなに勉強をしても合格ラインに届かず、焦りを感じました。うまく解けたときでも本当に大丈夫だろうか、当日うまくできなかったらどうしようという不安が胸の奥をざわつかせ、否定的な思考が頭を巡るようになっていきました。

それは、寝る時間さえも阻害していくようになっていき、次第に睡眠薬を服用するようになっていきました。

この時に、会計士試験は、自分との闘いなのだと改めて感じました。どんなにメイクで顔を変えても、本質的な部分が変わらなければ負けてしまう。

心身ともにボロボロでしたが、私は、自分の力で稼げる自立した女性になる!そのために公認会計士になる!と、すっぴんの肌を叩き気合を入れて答案練習を行い続けました。

ここまで追い込んでも最後までやり切れたのは、母の存在があったから。

ギャルになったときも、高専へ行くときも、大学受験をしたときも、そして公認会計士を目指した時も味方でいてくれていた母が試験当日までずっと支えてくれていました。

しかし、論文式試験当日は号泣して帰ったほど出来に自信が無く、合格発表の前日は酔いつぶれるまでお酒を飲んで、朝は泥酔状態で結果を見ました(笑)。落ちていたらまたあの辛い勉強をしなければならないのかと思うと、直視するのが怖くて。

合格が分かったときは、本当に嬉しくてアルコールも一気に吹き飛ぶほど身体が熱くなりました。すぐに母に電話をして報告をすると「おめでとう!!!」と何度も喜んでくれました。

震えるその声に、いつも元気付けてくれていた母も本当は不安だったのだと悟りました。その想いを電話越しで感じ取り、私も涙が溢れてメイクが崩れても気にしないぐらい泣いてしまいました。

続けていれば必ず成果は出る。チャレンジをし続けて。

栗林先生にとって公認会計士の仕事とはどのようなものでしょうか。

栗林:就職活動を経て有限責任監査法人トーマツへ入所しました。そこで3年半勤務をして、28歳で独立。ECサイトで水着のセレクトショップを作りました。高校生の頃は109の店員になりたかったくらい、ギャルファッションがとても好きだったので夢が叶ったときでしたね。それなりに利益も出ていたのですが、新型コロナの影響で海外にも国内にも旅行に行けなくなると、水着の需要は大きく落ち込みます。憧れだったアパレルの事業を手放すのは悩ましい部分もありましたが、またチャンスではいくらでもあると2020年に売却をすることにしました。

現在のメイン事業は、会計事務所での税務の仕事の他、上場企業でCFO補佐のような仕事だったり、母校の高専で経営学の講師をしています。知り合いの会社ではコンサルティング業などご縁があり、様々な仕事をさせていただいています。

こうしたチャレンジができるのも、公認会計士という資格があったから。公認会計士への勉強を通じて、頑張れば成果が出ることを実感できました。辛い期間ではありましたが、続けていれば何とかなると思えるようになったのです。そして、公認会計士という資格は世間的にも信用を得られやすいので、何か新しいことへチャレンジする際のハードルが下がります。また、女性にとっても公認会計士の仕事は、日本中どこからでも必要とされますので、結婚・出産を経てブランクがあってもキャリア継続をすることができ、魅力的な仕事だと思います。

私自身なにより、“自分が好きな自分”でいれることができたのは大きな変化です。自信がなく、派手なメイクをすることでコンプレックスを隠していました。公認会計士という資格を得た今、武器を手にして好きな仕事ができているので自信に繋がっていると思っています。

そんな今でもギャルは止められません。

だって、純粋に可愛いじゃないですか♪マツエク(まつ毛エクステ)がない人生なんて考えられないですよ(笑)。楽しいと思えること、好きだと思えることにこれからも挑戦していきたいと思います!

 

【編集後記】
何歳になってもチャレンジすることを続けたいと話していた栗林先生。初めはギャル×公認会計士とのことで、どんな方なのかな?と思っていましたが、とても素敵な女性会計士の方でした。栗林先生、ありがとうございました!

栗林利紗公認会計士事務所/株式会社Ri-speKt

●創業
2018年9月

●所在地
東京都渋谷区松濤1-28-2

●理念

経営者のみなさまの夢を目標に変え、その実現のための1番の相談相手となることを目指しております!

●企業URL

https://ri-spekt.com/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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