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ゲームで稼ぐのは夢がある?仮想通貨専門としてキャリアを築いた税理士が語る暗号資産の魅力と注意点【公認会計士・税理士 村上裕一氏 】

今回話を伺ったのは、公認会計士・税理士 村上裕一氏。大手監査法人、税理士法人を経て、現在は仮想通貨専門の税理士として活躍をしている実力派会計人だ。ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)は数年前から市場で一気に活性化され、オンライン上で気軽に取引ができるのが魅力の一つとされているが、一方で新しい商品ゆえに税制が追いついておらず、多額の税金を支払うことになってしまったというケースも発生している。今回は、村上氏のこれまでのキャリアに加えて、仮想通貨を始める際の注意点についても語っていただいた。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

ゲームは頭脳戦。仮想の世界が好きだった幼少期

公認会計士を目指したきっかけを教えてください。

村上:小さいころからゲームが好きで、ドラゴンクエストやRPG系は今もよくやっています。戦ったり、主人公を成長させたり。また、オンラインゲームでは、コンピューターではなく人との対戦や交流があり、仮想の仲間と交流していくのが面白いなと感じていました。

あとは、頭を使うものが好きで、大学2年生のときにハマったのがボンバーマンオンライン(ハドソンのコンピュータゲームシリーズ)です。キャラクターを動かしながら爆弾(ボム)を配置して、十字型に広がる爆風を利用し敵を倒していくアクションゲームなのですが、なんとなくやっているだけでは絶対に勝てないのですよ。要するに頭脳戦。頭を使って物事を進めることが好きだったのと、誰でもできるものでも訓練してうまくなっていくということに魅力を感じていたのかもしれません。

こうして大学に入ってからもゲームばかりを楽しんでいたのですが、2004年の就職活動をするタイミングで当時は不景気だったこともあり、何か資格を取ろうと思い立ちました。

数字を使うほうが自分には向いていると思っていたので、難関資格である公認会計士を目指すことにしました。その後、公認会計士試験に合格し、新日本有限責任監査法人(現:EY新日本有限責任監査法人)に入所しました。2015年に工業計器・プロセス制御専業メーカーに出向し、税理士法人を経て2020年に独立をしました。

現在、仮想通貨を専門とされています。どのようなきっかけがありましたか。

村上:独立当初は方向性が決まっていなくて、お客様もいないし、自分の強みの分野もない。監査のアルバイトをして生計を立てていました。今までやってきた大企業の監査や、企業向けの連結決算、ファイナンスの業務は、個人の事務所ではなかなか獲得できません。

そんな時に、とあるトレーダーさんがTwitterで仮想通貨の税金についての質問を発信されており、私がその内容を税理士目線でコメントをしたところ、とても喜ばれました。確かに仮想通貨は複雑ですし、世の中に仮想通貨の税金で悩んでいる方はこんなにたくさんいたのだと驚きました。仮想通貨投資においては、そもそも自分がどれだけ利益が出ていて、どれくらいの税金をいくら払えばいいのか分からない、という方も多いです。

仮想通貨の世界は未知で新しいものがどんどん出てきています。特に最新の仮想通貨の投資スタイルでは、税務の明確なルールが公表されておらず、この取引は税金計算上どう考えるかが難しいところもあるので、これは社会的貢献度も高いのではと思い、仮想通貨専門税理士になることにしました。

生半可な気持ちはNG!仮想通貨を始める際の注意点

最近は、ゲームでも稼げるようになっていると伺いました。
村上:いわゆる「Play to Earn」というものです。アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)という2018年ベトナム発のゲームが最も有名ですが、仮想通貨でキャラクターを購入して、ゲーム内で冒険をしたり戦いに勝つと毎日仮想通貨がもらえます。例えば毎日2時間プレイするだけで月に10万円くらい稼げることもあるのです。私自身、ゲームが好きなのでこれはとても魅力的だなと思いました。一方で、仮想通貨投資には様々なデメリットもあります。

仮想通貨そのものが比較的新しい商品なので、どういうときに利益が出るのか分かりにくく、税金を支払う義務があるのかどうかわからないことがあるのです。仮想通貨は、”120円で買って200円で売って80円の利益”という単純な取引だけではなくて、ステーキング(※1)というようなものありますし、マイニング(※2)で自ら仮想通貨を取得するなど、さまざまな投資手法があるのです。

(1)ステーキング:仮想通貨の定期預金のようなもの。保有する暗号資産をステーキングとしてロック(固定化)し、ブロックチェーンの運用に貢献することによって、報酬(利息)を得ることができる仕組み。

(※2) マイニング:マイニング=採掘。PCを活用し、仮想通貨の複雑な計算作業に協力し、新規に発行された仮想通貨を得ること。

仮想通貨の損失は、時価の上下だけが原因ではありません。ハッカーに攻撃されてコインが流出することもあります。あと、仮想通貨を送金するときには何十文字かの暗号があるのですが、それを一つでも間違えてしまうと別のところに行ってしまって、原則として二度と戻ってきません。

そして取引所が倒産することもありますし、パスワードが分からなくなると二度と入れない。そういうリスクもあります。いわゆるGOXですね。

上記のような損失の場合ですが、一部では税金の面で救済措置があるものの、場合によっては、税金の面で救済措置がなく、「投資は自己責任」のもと、税金の計算面も不遇になります。ですので、個人的に仮想通貨投資は、余ったお金で趣味程度でやるのはいいですが、例えば老後の生活資金を稼ぎたい場合などは、おすすめできません。

実際に税金だけが掛かってしまうケースもあるのでしょうか。

村上:過去にありました。コインの交換というものはよくあって、取引所によって扱っているコインが違うので、このコインXが欲しくても取引所Aでは扱っていない、という場合があります。その時には取引所AでコインYを手に入れて、そのコインYを取引所BでコインXに交換する、ということがあるのです。

ただ100万円分のコインYを100万円分のXに交換しただけなのですが、税金の計算上は一旦100万円のコインを売却して、100万円のコインを購入したということになります。すると、売却時に取得時より時価が上がっていると利益が出ていることになります。コインを交換する方はたくさんいらっしゃって、そのたびに売却損益は出ていますが、取引されている方は現金が入ってきていないので税金が発生していることに気が付きません。

そして専門家に計算してもらって多額の税金が掛かっていることを知って、それならコインを売却して税金を払おうと思っても、そのときにはコインが下落していて税金も払えないという事態になるというケースもありました。

2017、8年くらいにはこういったケースが多く発生しました。当時、年末に掛けて時価が上がってしまい、年末のタイミングで交換していた人が多くて、気が付いた時には多額の税金が発生していました。

仮想通貨における今後の将来性

これから投資を始める方にメッセージをお願いします。

村上:慣れていない方であれば、必ず専門家に相談しながら進めたほうがいいです。私のところへご相談にくる方も、最初のご相談のみならず契約後はいつでもLINEで気軽に聞いていただいるのですが、それだけ定期的に税金で不明な点が発生しているのです。

デメリットばかり話してしまいましたが、個人的に仮想通貨の将来性には期待しています。

そもそも仮想通貨の役割は①送金の手段②決済③投資用資産の3つだと認識しています。

現在は、③の投資用資産の面が大きいですが、今後は①送金や②決済が増えていくと期待しています。

例えば、決済においては、NFT(※3)があげられます。NFTの購入は基本的に仮想通貨での決済です。さらに、家電量販店でビットコインでの決済もできるようになったりもしています。今後も市場としては拡大していくと思います。

(※3)NFT:偽造不可な鑑定書・所有証明書付のデジタルデータ。ブロックチェーンの技術を用い、今までコピーが用意だったデジタルデータに対して、「唯一の価値=所有権」を与えることができる。

リスクもありますがきちんと勉強をして、うまく行けば仮想通貨で”億り人(利益が1億円以上出る人)”になることもできますし、好きなゲームをプレイしてお金を稼ぐこともできます。また、上記で挙げたステーキングなどを活用することで毎日の不労所得を得ることもできます。

私の顧客である投資家の方は本当に勉強しています。仮想通貨投資でもいわゆる「魔界」といわれるようなハイリスク・ハイリターンの部分に参入している方もいます。リターンが非常に大きい分、リスクも高く、しっかりと勉強し、リスクとリターンを見極めて投資されており、人として尊敬できる方が多く、私自身刺激にもなっています。

税理士として、仮想通貨投資家の方々にお役に立てるように私自身もこれからもっと勉強をして、貢献していきたいと考えています。

 

【編集後記】 

税制上は判断を伴う複雑な部分も多く、それゆえ税理士として専門性があればキャリアを築く上でも付加価値が上がると語っていた村上先生。貴重なお話をありがとうございました!

村上裕一公認会計士事務所

●創業

2020年

●所在地

東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル13F 1311

●理念

すべての仮想通貨投資家が安心して投資できるよう支援する

企業URL

https://ur-buddy-cpa.com/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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