いいアイデアが出ない。考えだしたアイデアがどうもピンとこない。 そこには発想の邪魔をする「ある問題」が存在しています。 第40回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、「発想の障壁」です。
アイデア発想の障壁5つ
アイデア発想にとって障壁になることは次の5つです。
- 左脳で考える
- テクニック論に走る
- 頭の中だけで考える
- いいアイデアを出そうとする
- ネガティブな思い込み
1.左脳で考える
いわゆる合理的、論理的な思考と呼ばれるものです。
有名なキーワードに置き換えるなら「ロジカル・シンキング」。
もちろん、この思考法そのものがダメというわけではありません。
問題の原因や仕事の手順を詳細に決めていくときや、情報の整理といったことにおいてとても優れた思考方法の1つです。
しかし、残念ながらアイデア発想には向いていません。
なぜなら左脳は文字、文章で考えるからです。
言語化されたものは、(当たり前ですが)既に知っていることです。
これが前提になる限り、想像を超えるようなアイデアにはつながりにくいのは自明です。
とくにまだ世の中に存在しないようなアイデアであれば、なおさら言葉にはなりにくい。
アイデア発想はできるだけ右脳、つまりイメージで行うほうがベターなのです。
2.テクニック論に走る
今なら、DXやIoT、そしてAIといったテクノロジーやサブスクリプションのような方法論ありきで考えてしまうこと。
新しいビジネスを考える際、よく陥りがちな“ワナ”です。
このテクニック論には少なくとも2つの弊害があります。
1つは、競合が多いこと。
例えば、市民権を得つつあるAIを使ったビジネスを思い浮かべてみてください。
すでに私たちの生活の中にもどんどん入っていますし、プレイヤーの数はもはやどれだけいるのか見当もつきません。
2つめは、差別化にはつながらないこと。
AIであれIoTであれ、はたまたYouTubeであれ、これらはすべて「手段」に過ぎません。
たとえば、無人レジにAIを搭載した。一定程度の資金力を有するPOSメーカーであればどこでも可能です。
残念ながら優れたテクニックは、解決策にはなり得ても、そのままでは差別化を生み出す要素にはなりません。