「今までにない切り口でビジネスを考えてほしい」よく耳にすることですが、そう簡単に出てこないのが普通です。2022年最初の【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、「切り口」です。

切り口。
言葉そのものに不明な点はありませんよね。
切り口とは「物事をどのように切るか」のことで間違いありません。
悩ましいのは、「どのように」切るのか、です。
例を挙げて考えてみましょう。
昨年、一昨年と巣ごもり消費の牽引で売上を盛り返した「書籍」。
書店に行くと、まさに「切り口」の好例であふれています。
例えば、今ベストセラーになっている(2022月1月現在)

①独学大全
②1分で話せ
③認知症の世界
④教養としての茶道

の4タイトル。

いずれも見事としか言いようのない切り口です。
(独学大全は売上20万部、1分で話せは売上50万部を超えているそうです)

では、どうすればこうした切り口を見つけ出すことができるのか。
続けてその方法をご紹介しましょう。

ドリルダウンと置換

新しい切り口を見つけ出す方法は2段階です。

  1. ドリルダウン(掘り下げ)
  2.  置換(他分野などから転用)

まず、ドリルダウン。
上述の本を例にして掘り下げましょう。

本は、
本 → カテゴリー → テーマ → サブテーマ
と降りていくことができます。

例えば、ロジカルシンキングの本であれば、
本 → ビジネス書 → 思考系 → ロジカルシンキング
といった具合です。

上述のベストセラーの場合だと、それぞれ、
① 独学大全  : 本 → ビジネス書 → 勉強 → 独学
② 1分で話せ : 本 → ビジネス書 → コミュニケーション → 話し方
③ 認知症の世界: 本 → 社会・政治 → 福祉 → 認知症
④ 教養としての茶道 :本 → ビジネス書 → 教養 → 茶道
と下げることができます。

この構造をよく見て頂くと、1つの性質が見えてきます。
それはビジネスや社会・政治といったカテゴリーは他の書籍と「途中まで同じである」こと。
当たり前のことですが、切り口を考えるときこのことは意外と重要です。

人は100%知らないものや100%知っていることに興味を持ちません。
例えば、激安スーパーと聞いても特に驚くことはありません。
私たちは、スーパー=安い(コンビニなどと比べて)との認識があるためです。

しかし、ヨーロッパ食材専門スーパー、だとどうでしょう。
実際住んでいた人は別として、ほとんどの人にとってはぼんやりとしかイメージがわきません。

スーパーであること、食品であること、ここまではわかる。
しかし、ヨーロッパって?パスタとか?
どういう食材があるんだろう?となるはずです。
こうして、ある程度わからない部分があったときに私たちは興味を惹かれます。

一方で、今までにない切り口を考えようとして、スーパー以外の名称を用いたらどうなってしまうか。考えるまでもありませんよね。

同じカテゴリーではあるが、部分的に違いがある。差別化を考える上で欠かせない考えの1つです。

さて、話を戻しましょう。
さきほど掘り下げた結果、

① 独学大全  : 本 → ビジネス書 → 勉強 → 独学
② 1分で話せ : 本 → ビジネス書 → コミュニケーション → 話し方
③ 認知症の世界: 本 → 社会・政治 → 福祉 → 認知症
④ 教養としての茶道 :本 → ビジネス書 → 教養 → 茶道

となりました。

 

次は、2つめの「置換」。
4つめの「教養としての茶道」を例にしましょう。

ビジネス教養の本と言えば、平たく言い換れば「ビジネススキル」や「ビジネスに関する基礎的な知識」のこと。
つまり、コミュニケーション全般、プレゼンの方法や、電話応対、交渉、提案の仕方などそれこそ膨大なカテゴリーが存在しています。
具体的な書籍の数にすれば、もはやどれだけのタイトルがあるのか想像もつきません。そのまま、例えばプレゼン方法に関する書籍を出したとしても、まず売れないのは自明です。

そこで別の分野から要素を持ってきて、置き換えることで切り口を変えてしまう。
この書籍の場合、それが「茶道」でした。

いうまでもありませんが、茶道の本は存在しています。ビジネス教養ほどではないにせよ、相応のタイトルがあるはずです。
しかし、ビジネス書の棚にはありません。
だから、大いに目立ちます。

ビジネス教養も茶道も、当然すでに知っていることですが、この2つが組み合わさった瞬間、さきほどのヨーロッパ食材専門スーパーのように「そういえば、それほど知らないな」という部分が浮上し、読み手の興味を惹くのです。

 

以上、切り口についてご紹介しました。
新しい切り口をといっても、だれも知らない要素を持ってきてもまずうまくいきません。
既存にある商品やサービスをベースにして、部分的に別の要素に置き換える。これだけです。

難しさはどこにもありませんが、ちょっと時間はかかります。
ぜひ、色々と組み合わせながら可能性を探ってみてください。


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