今回は、2018年に東京プロマーケットに上場した経験のある株式会社ひかりホールディングスの代表取締役社長である倉地氏に上場のきっかけや実際に上場して感じた事について伺いました。
岐阜県多治見市という場所から倉地氏がどのように東京プロマーケットの上場へと至ったのか、同じように地方での上場を考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

目次

  1. 株式会社ひかりホールディングス創設の経緯
  2. 東京プロマーケット上場の経緯
  3. 実際に上場して感じたメリット
  4. 上場して変わったこと
  5. 今後のビジョン
  6. 倉地氏から皆様へ伝えたいこと
  7. 株式会社ひかりホールディングス倉地様について
  8. まとめ

1.株式会社ひかりホールディングス創設の経緯

株式会社ひかりホールディングスは、「最強の中小企業集団」を作ることを目指して作られました。元々は、株式会社ひかり工芸というタイル加工を行う会社でした。タイル業界は、製品の加工や建設工事、輸入仕入販売がそれぞれ分かれて行われていましたが、私が先代から事業を引き継いついでからは、これらの行程を一貫して自分の会社で行いたいと考え、M&Aを繰り返し、現在のような企業集団として株式会社ひかりホールディングスが誕生しました。

2.東京プロマーケット上場の経緯

私が、東京プロマーケットへ上場しようと思ったきっかけは、東京証券取引所のネームバリューが得られるという事でした。私は事業を引き継いだ時から、会社がスピード感を持って成長していくには、IPOが必要だと考えていました。しかし、売り上げが3〜5億円から中々抜け出せず、模索している状況が続いておりました。そのような時に、知人から、東京プロマーケットという市場があることを聞き、東京証券取引所というネームバリューが使えることから、そこでの上場を目指しました。

3.実際に上場して感じたメリット

私が実際に東京プロマーケットに上場して感じているメリットは2つあります。1つは借入れで、代表者の個人保証が外せるということ。もう1つは、採用が取りやすくなったということです。代表者の個人保証が外せるという事に関して、私は先代である父が亡くなった時、約1億円の借金を引き受けることとなりました。事業を引き継いでからスタートの時点で1億円の借金というのは、いくら息子として引き受けたとしても、相当のプレシャーがありました。そのため、「会社の事業を伸ばす」ということよりも、「借入れを返済していく」という後ろ向きの考えでの経営に陥っていました。しかしその一方で、事業を成長させて、従業員の皆様のお給料を高くしたいという気持ちも持っていました。代表者の個人保証が外せるというのは、私と同じような状況にあったとしても、精神的な負担を減らして、経営に集中できるという点でメリットがあると感じました。

採用面に関しては、弊社のある岐阜県多治見市が田舎町に位置するのと、会社としてもメジャーではなかったことから、中々採用が取りづらい状況にありました。ところが、上場した翌年からは新卒採用が取れるようになっていきました。やはり、上場企業と非上場企業という比較から、上場した後の方が求職者様から目を向けて頂きやすくなりました。このように採用面では、小さい会社ながらも求職者様から信頼して頂けるようになるという部分がメリットだと思います。