今回ご紹介する実力派会計人は、税理士・角田壮平氏。中小の会計事務所や大手税理士法人、相続専門の税理士法人では役員を務めたのち、相続に特化をした税理士法人トゥモローズを2015年に立ち上げた。相続という場面においてご依頼主は“心が波立つ”場面も多いが、柔軟にそして真摯に向き合っていくことこそ、税理士としての価値が問われてくると語る角田氏のこれまでのキャリア、そして今後の展望に迫ります。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

サーフボードが目に…税理士を目指したきっかけ

税理士を目指したきっかけを教えてください。

角田:父方の家系に弁護士や公認会計士などの士業が多く、幼少期は何となく将来はサラリーマンにはならずに手に職をつけていくんだろうなと思っていました。しかし、大学でサーフィンに夢中になり、いつしかサーフィン関係の仕事をしたいと夢見るようになります。

親友からの「角田に向いていると思う」と言われて始めたサーフィンですが、やってみると、すっかりのめり込んでしまいました。サーフィンには、二つの面が必要だと思っており、一つ目は自然相手なのでアグレッシブに攻めるメンタル的な強さ、もう一つは、ある程度波に合わせるしなやかさや協調性のようなもの。その場の流れに合わせた対応が必要なのです。

しかし、それほどハマっていたサーフィンですが、あわや失明という大きな事故に遭います。事故の日は波もそれほど大きくなく、人も多くなく、天気も良かったのですが、そこが油断に繋がったのかもしれないですね。サーフボードの先端が目にぶつかったのです。

救急車を待つ間、視界が白くなっていることに気が付き「これは失明したな…これからどういう仕事をすればいいんだろう」と、なぜか冷静にこれからの人生を考えました。結果、数か月にわたって入院。手術は3回して、失明は免れたものの、サーフィンからは遠ざかってしまいました。

入院中にも、今後どうしていこうか考えた末、根底にあった士業の資格を取り独立をして生きて行こうと決意し両親に相談をしました。税理士であれば積み上げ式だからコツコツと資格取得ができるという理由で22歳のころから税理士試験勉強を開始します。

相続特化の税理士として独立するまで

独立するまでどのようなキャリアを歩まれていますか。

角田:大学卒業後2年間は会計事務所でアルバイトと勉強の日々。簿記論・財務諸表論は1回目の受験で合格ができましたが、法人税は3回受験をしました。渋谷のベンチャー企業専門の会計事務所を経て、27歳でアクタス税理士法人(東京都・港区)に入所し、ここでは2年間勤めました。

ここでの2年間は、社会人経験もない私に税務対応の基礎を身につけさせてもらいました。お客様対応もはじめはうまくいかないこともありましたが、何とかしてバリューを出せないか考えさせられましたし、優秀な先輩も多く勉強になりました。この頃、4科目合格ができたので、30歳になる前に5科目目に受かり税理士になりたいと思うようになりました。そして、29歳の6月に退職をし、2か月ほど集中して国税徴収法を勉強して税理士になることができました。

次にどこで働こうかと考えたときにせっかく税理士になったので、一度はBig4税理士法人でもっと高度な税務を勉強したいと思い、EY税理士法人に転職をしました。

2年目からは事業承継チームに配属され、事業承継支援に2年間携わったのですが、ここで事業承継の「ゴールを知らない」ことを思い知らされます。事業承継は相続対策のために対応するものですが、きちんとした相続の知識がない中で事業承継の仕事をしていると深いアプローチができないように感じていました。

あとは、今後の日本では亡くなる方が年間200万人という時代も来る。それなら相続というマーケットが今後非常に大きくなるはずだから、相続を専門に学べるところと考えて税理士法人チェスター(東京都・中央区)へ転職します。

相続コンサルティングのリーディングカンパニーを目指して

独立の背景と今後の展望を教えてください。

角田:税理士法人チェスターでは相続専門で、300件以上の相続業務に携わらせていただき、役員も務めさせていただきました。4年が過ぎた頃、自分の実力を試してみたいと思うようになり2015年に税理士法人トゥモローズをEY税理士法人時代の同僚だった大塚と立ち上げました。

トゥモローズと名付けたのは、私たちの仕事は申告をして終わりではなく、相続人様が相続を乗り越え、前を向いて明日を生きるためのサポートをする仕事だからということを伝えたかったからです。相続は、個人の感情がとても動く分野です。直近で大切な誰かを亡くされているから当然のことだと思います。だから亡くなった方の想いを受け取る感受性や、相続人であるお客様の想いを受け取る洞察力…そういった人間にしかできないことを大切にしたいなと思いました。そんな想いを新たな経営方針に取り入れたのが「トゥモローズウェイ」です。

トゥモローズウェイは、「人間力と専門性で相続コンサルティングのリーディングカンパニーを目指す」というものです。相続コンサルティングとは、相続税の申告だけでなく、生前対策から相続後の財産の運用まで、相続に関係する全てのお悩みにトゥモローズだけで解決できるサービスですが、それを組織としてスタッフにも同じ方角を向いて取り組んでほしいという願いを込めて作りました。

「人間力」と聞くと壮大なイメージがありますが、実は意外にシンプルなものだと思っています。これまでのご依頼主は、故人に対する自分の深い想いを話してくださることが多かったのですが、私がご依頼主の話を聞くことで、その方が気持ちの整理を付けて次のステージに行けるのなら、それも私が税理士としてお客様に対してバリューを出せたと言えます。もちろん相続には難しい論点もたくさん出てくるので、高度な税務や節税に繋がる提案できたときもやりがいを感じます。それに加えて、AIにはできない感情面で相続人様を支える人間味のあるバリューを発揮することが大切なんじゃないかなと思います。

これからもご依頼主の「心」と真摯に向き合っていきたいと思っていますが、人の心というのは、その方ごとに違った捉え方、想いがあるものです。それは波によく似ていると思います。さざ波もあれば、大きな波の日もあります。その方に合わせた対応を柔軟に、そして誠実に心を込めて対応していきたいと考えています。

実は、3年ほど前から怪我からずっと遠ざかっていたサーフィンも再開しています。やっぱり私は海が好きなんだと思います。仕事も趣味も自分がやりたいと思うことに、これからも情熱を持って取り組んでいきたいと思っています。

 

【編集後記】

最近読まれた『心の相続』(著・五木寛之)という本に”相続というのは、亡くなる前に、その人の考え方や、言葉や、口癖、そういったものを次世代に引き継いでいくことだ”と記載されており、その通りだと思ったとも語られていた角田先生。相続に向き合う実力派会計人のお話でした。角田先生、この度はありがとうございました!

税理士法人トゥモローズ

●設立

2015年

●所在地

【日本橋本店】

東京都中央区日本橋小伝馬町 14-10 アソルティ小伝馬町 Liens 3階

【新宿支店】

東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル49階

●理念

人間力と専門性で相続コンサルティングのリーディングカンパニーを目指す

●会社HP

https://tomorrowstax.com/

 


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