ビジネスの核「ターゲット」。 シンプルですが、このターゲットを変えるだけでビジネスが激変する可能性があります。 【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意第49回は「ターゲットチェンジ」です。

ターゲットと言えば、女性向け、シニア向けといった性別や年代などによる区分けが思い浮かびます。
しかし、その区分けの結果、〇〇という商品やサービス=〇〇向けといったある種の“常識”のようなものが形成されています。
例えば、将棋。歴代最年少で五冠を達成した藤井聡太さんが話題ですが、将棋=シニア向け、というステレオタイプが潜んでいます。
しかし、藤井さんのような若い人の活躍やスマホアプリの浸透によって、年代、性別、そして国籍を問わず将棋人口は広がっているのが実態です。
想定されている利用者=ターゲットを変える、広げる。ここに大きなチャンスがあります。
今回は、いくつかあるターゲットチェンジの中、ポピュラーな“大人向け”について事例を交えご紹介しましょう。
子ども→大人の例
プラモデル
1980年代、日本中で起こったのがガンプラブーム。
どのおもちゃ屋にも置いていない。〇〇というお店に入荷したという情報が伝われば、早朝から列ができるほどでした。(恥ずかしながら、朝5時から並んだことがある1人です)
当時はもちろん、プラモデル=子どものものという価値観でした。
時代を経て、当時並んでいた子どもたちは子を持つ親になりました。
そこにターゲットを当て、見事な成功を収めているのがガンプラです。
バンダイホビーサイト/ガンプラ
https://bandai-hobby.net/gunpla/
当時、安いものなら300円。高くても1,000円ほどでしたが、今はハイエンドのものになるとノートパソコン並みの価格帯です。まさに大人向け。
コロナ禍でのおうち時間の拡大によって、需要が再燃し、直近では品不足状態や転売騒ぎが起きるほどです。
漫画
プラモデルと同様、漫画=子どもが読むものという価値観は昭和のお話。
今では企画の段階から、成熟した大人にとって読み応えのあるコンセプトが打ち立てられるのが通例です。
むしろ、大人にウケなければ、大ヒットに繋がらないとも言えます。
例えば、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞や手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、NHKでアニメ化までされた。
「へうげもの」モーニング・山田芳裕
http://morning.moae.jp/lineup/13
時代背景は戦国。戦国ものといえば、「武」がテーマになりそうですが、そこをあえて、茶道や美術、建築といった文化的な要素を切り取り、見事な大人向けの内容になっています。
一昨年大ブームになった「鬼滅の刃」も同様です。単なる戦いの話ではなく、古き良き日本の共同体がテーマとして描かれており、社会とはなにかを問う側面も併せ持ち、成熟した大人にこそ興味を惹くようになっているのです。
水泳教室
コナミスポーツクラブ「大人向けスイミング教室」
https://www.konami.com/sportsclub/school/swimming/
水泳教室=子どもが行くもの。
実際、多くの人が幼少期に行くケースが多いでしょう。
水泳は他のスポーツとは異なり、どこかで習わないとできない(我流は厳しい)スポーツです。
しかし、そうした機会に恵まれなかった人にとって、今更子どもに混じって習うのはあまりにも苦痛。
そこで登場したのが大人向けの水泳教室です。
昔習ったけど忘れた、健康のためにまたやりたいといった人もいるでしょう。
そうした需要を受け、今では当たり前のメニューになった一つです。