④規模では大きく遅れをとるも、勢いに乗るあらた

大きく業績を伸ばしたのが業界4位のあらた。業務収入は+20.7%、営業利益は+34.9%と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。利益率も上がっているのは、得意とする非監査が伸びているのでしょうか。

なお、あらたの特徴の一つは利益率の高さですが、これついては次回以降、詳しく見ていきます。

3.2016年度以降の業績見通し 注目されるあらたの追い上げ

2016年度のトピックは、ずばり、新日本のクライアント流出。行政処分の下った2015年12月以降、翌5月 までで、新日本を離れた企業は約30社にのぼり、王子HD、富士フイルムHD、ANA HDといった、報酬が1億円を超える監査クライアントも流出しています。新日本とトーマツおよびあずさの間には100億以上の差がありますが、それがどう 変動していくのか。なお、21億円の課徴金が課されるのも、低利益が定着している新日本には痛いところでしょう。

また東芝、シャープといっ た大口クライアントを獲得し、勢いに乗るあらたですが、その一方、工数がかかり、受注リスクも高いと考えられる東芝の監査リスクも気になるところです。東 芝に関しては、トーマツ、あずさ等も受注を検討したものの、リスクの高さや人手不足の現状を考慮していたところ、あらたが積極的に動いたという話も聞こえ ます。いずれにせよ、2016年度以降、他の3法人にどれだけ迫っていくのかも興味深いところです。

以上、業績からBIG4を比較・分析しました。一口に「4大監査法人」「BIG4」と言っても、その財務数値から見えてくる特徴はさまざまであることがご理解いただけると思います。特にあらたの非監査比率及び利益率がずば抜けて高い点や、新日本の利益率の低さなどに、法人の特徴がよく表れていると思います。
(KaikeiZine編集部 BIG4研究班)

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※参考資料
◆新日本有限責任監査法人:第16期 業務及び財産の状況に関する説明書類(平成26年7月1日~平成27年6月30日)
◆有限責任監査法人トーマツ:第48期 業務及び財産の状況に関する説明書類(平成26年10月1日~平成27年9月30日)
◆有限責任あずさ監査法人:第31期 業務及び財産の状況に関する説明書(平成26年7月1日~平成27年6月30日)
◆PwCあらた監査法人:(2016年7月以降はPwCあらた有限責任監査法人):監査品質に関する報告書‐Transparency Report 2015、2015アニュアル・レビュー
◆帝国データバンク:上場企業の監査法人異動調査
◆日本公認会計士協会:2016年度版 上場企業監査人・監査報酬実態調査報告書

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