4.ロックアップ

なぜオーナー社長は上場するときに株式を売れないのか。ロックアップというものが関係します。ロックアップとは、上場準備会社の株主及び会社自身が、上場してから一定の期間は、新株式の発行や株式の売却等を行わないことを約束することです。ロックアップの内容は上場承認時に開示される有価証券届出書・目論見書等に開示されます。
ロックアップは、上場した張本人たちの損得のために株式市場の需給バランスを著しく損なう行為を防ぐためのものです。
上場後の堅調な株価形成を促すためにも重要です。なぜ、上場後の堅調な株価形成を促すために重要なのか。例えば、大量の株式をオーナー社長が売却しようとすると、たとえ社長が会社の経営とは別で現金を必要として苦渋の決断であったとしても、下記のように投資家から見なされる恐れがあり、株価に悪影響を与える可能性が高いからです。
- ・この社長は自社の経営から手を引こうと思っている。
- ・この社長は会社の成長に悲観的だ。
5.ストックオプション
資本政策で従業員に絡みやすい項目にストックオプションというものがあります。ストックオプションは、取締役や従業員が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利です。
会社は、取締役や従業員に、権利行使価格(ストックオプション付与時にあらかじめ定められた金額≒権利を行使するときよりも低い価格)で、会社の株式を取得できる権利を付与します。取締役や従業員は、将来、株価が上昇した時にストックオプションの権利を行使します。その時点で、会社の株式を権利行使価格で取得し、その後、時価で株式を売却します。そうすることで、権利行使価格と株価上昇分の価格との差が、利益として得られるわけです。
このため、ストックオプションによる取締役や従業員への報酬額は、その会社の業績向上による株価上昇と連動するといえます。このため、ストックオプションの権利を付与された側にとっては、業績向上したときの、実質上のインセンティブにもなるのです。
資本政策としては、従業員に対する株式付与も持株比率に影響し、かつ、取締役や従業員にとってはIPOの直接的な恩恵と感じやすいものとなりモチベーション材料となるため、マネジメントとしては重要な要素となります。
6.まとめ

IPOで必ず生じる論点、資本政策。ストックオプションなど影響する内容もありますが、従業員でどういったものか知っている方は珍しいでしょう。IPOで一番ブラックボックスと感じられやすいところです。しかし、資本政策の基本を理解することは、会社の状況の大筋となる成長フェーズへの理解にも繋がる重要な要素です。何より知るとスッキリするところがあるのではないでしょうか。
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