2.税制適格ストックオプション
従業員にとってストックオプションは種類が重要です。ポイントは、権利行使時に税金がかからない「税制適格ストックオプション」であるか否かです。権利行使時に税金がかからないという意味は、税金が安くなるわけではなく、税金を払うタイミングが権利行使時ではなく、株式売却のタイミングでまとめた課税ができるということです。これは、権利行使時に課税されてしまうと、権利行使時では価値のある株式は持っていても税金を払うキャッシュがないため、売却時にまとめて課税される必要があるというわけです。
権利行使価格が1円と設定される「1円ストックオプション」と呼ばれるストックオプションもあります。実質的に権利を行使する時点での株価と同等分が利益となりますね。税として有利な退職金として計算される事が多いです。
3.ストックオプションの条項
①退職したら無効になる
ストックオプションは付与時に行使条件が付されていることが一般的です。たとえば「発行時において当社の従業員であったものは、新株予約権の行使時において当社の取締役または従業員であることを要する」といった内容です。すなわち、業務委託などで会社に関与し続けてもストックオプションは有効でなくなるということです。従業員のモチベーションを高め、会社への貢献度を高めることにストックオプションの意義があるため、退職し会社への貢献をしなくなった従業員に対しては無効とさせる条項を付していることが多いのです。
②IPO成功後の退職防止条項
また、ストックオプションの権利行使の条件として「ベスティング条項」を設ける会社が増えています。べスティング条項とは、権利を付与されてからも、権利を行使できるまでに決められた期間を経なければならないというものです。これによって、ストックオプションの半分はIPOで上場してから2年経過しないと権利を行使できないなどの条項を設けて、従業員の退職を防いだりする効果が意図されます。
ストックオプションは様々な条件を盛り込むことが出来ます。内容をしっかりと理解して価値がどうあるものかよく理解しましょう。