5月20日、財務官僚の暴行容疑事件ニュースがマスコミを賑わせた。警察庁玉川署に暴行容疑で逮捕されたのは、財務省総括審議官の小野平八郎容疑者(56)。東急田園都市線の電車内で酒に酔って乗客を暴行した疑い。総括審議官といえば、将来の事務次官候補の有力候補。キャリア官僚はポストによって、将来のポジションが見えてくるのだ。
警視庁玉川署は5月20日未明、東急田園都市線の電車内で乗客を暴行した疑いで、小野容疑者を逮捕した。酒に酔っており、田園都市線の桜新町駅(世田谷区)で下車後、駅員の110番で駆けつけた警察官に同駅改札付近で取り押さえられた。
小野容疑者は、1989年(平成元年)に東京大学法学部を卒業し、法学士の学位を取得。大学在学中に国家公務員採用I種試験に合格し、大蔵省(現財務省)に入省する。
大蔵省では主計局総務課に配属。1995年に網走税務署長、1997年に大蔵省大臣官房文書課長補佐兼大臣官房秘書課長補佐(調査)など歴任。2001年1月の中央省庁再編に伴い、以降は財務省に勤務。2017年7月には、主税局の総務課長に就任。2018年7月には大臣官房の審議官(主税局担当)]。2021年7月、他省庁との政策調整を担う総括審議官に就いた。総括審議官は歴代次官も数多く経験した「次官の登竜門ポスト」。統括審議官を経た官僚は、たとえ事務次官になれなくても、国税庁長官か他省庁の事務次官になるなど、財務官僚の中でも「超エリートポスト」と言われている。