IT業界の分類やサービス、今後欠かせない技術や業界の先行きについて解説します。特にIT業界で働きたいという人には役立つだろう、基本となる情報です。

本記事では、IT業界を5つに分類し、それぞれのサービスや代表的な企業を紹介します。

また、今後のIT業界やその将来性についても解説します。

それらを、IT業界に就職や転職を考えている人に向けてわかりやすく説明します。

IT業界は5つの分野に業種分類される

一口にIT業界といっても、企業によって提供しているサービスは多岐にわたります。

具体的には、IT業界は「通信インフラ」「インターネット・Web」「ソフトウェア」「ハードウェア」「情報処理サービス」の5つに分類できます。

各分類をまたぐサービスや製品を提供している企業も少なくありませんが、今回はそれぞれのサービスや代表的な企業を分かりやすく分類して紹介します。

通信インフラ業界

通信インフラ業界は、主に電話やインターネット回線などを提供している業界になります。

光回線やCATV(ケーブルテレビ)などの固定回線、スマホの通信やWi-Fiなどの無線回線、海底ケーブルや衛星を使った回線など、さまざまな手段でネットワーク環境を支える業界です。

代表的な企業は、

  • NTTドコモ
  • ソフトバンク
  • KDDI

などです。

インターネット・WEB業界

インターネット・WEB業界は、インターネットを利用したサービスを指します。

ホームページや、EC、メディア、インターネット広告によるサービスや集客支援など、多岐にわたります。

この業界の企業が提供しているサービスの多くは、私たちの生活に身近なものです。

代表的な企業は、

  • Google
  • Amazon
  • 楽天

などです。

ソフトウェア業界

ソフトウェア業界は、パソコンの頭脳に相当するOSや、パソコンやスマホで利用するアプリケーションなどを提供しています。

一例としては、パソコンでよく使うセキュリティソフトや会社が使っている勤怠管理ソフトなどがわかりやすいでしょうか。

ソフトウェア業界は、クラウド化やDXの拡大により近年はさらにニーズが高まっています。

代表的な企業は、

  • Microsoft
  • サイボウズ
  • オービック

などです。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、簡単に説明すると「手に取れる製品」を提供している業界です。

パソコンやスマホなどの端末から、プリンターやモニターなどの周辺機器、IT技術を取り入れたテレビ・冷蔵庫に至るまで、幅広い製品を提供しています。

ハードウェア業界は、いまや製品の提供だけでは生き残りが難しく、製品を使うことによって付加価値をどれだけ生み出せるのかが求められます。

代表的な企業は、

  • Apple
  • SONY
  • Dell

などです。

情報処理サービス業界

情報処理サービス業界は、SI(システムインテグレーション)業界とも呼ばれ、SI事業を展開する企業はSIerと称されます。

情報処理サービス業界は、クライアント企業から依頼を受けて、その企業のシステムを構築・運用したりします。

SIerは、企業が抱えている課題を分析し、ITの力を用いて解決策を提案するというようなコンサルティング的な面もあります。

代表的な企業は、

  • NTTデータ
  • アクセンチュア
  • 野村総合研究所

などです。

IT業界で重要な5つの技術

IT業界の特徴として、技術の進歩の早さが挙げられます。

今後IT業界を引っ張っていくことが予想される、重要な技術を紹介します。

IoT、5G

IoTは、簡単に言うとさまざまな「モノ」をインターネットでつなげる技術です。

モノとモノをつなげることができるようになると、私たちがやっている仕事をロボットに任せることができるようになります。

今後さらに加速していくだろう人材不足の解消につながるだけでなく、ヒューマンエラーを減らすことにもつながります。

また、スマホを使った家電の操作など、lotは私たちの生活を便利にしてくれます。

次世代の通信規格である5Gの普及も、IoTの発展を加速します。

高速、大容量、低遅延、多数同時接続など通信が可能となり、さらにスムーズにモノとモノをつなげられるようになって、できることの幅も広がります。

クラウド

クラウドとは、インターネットを経由してアプリケーションやソフトウェアをユーザーに提供するサービスです。

クラウド化によって、ユーザーはインターネット環境さえあれば、どの端末からでも同一のサービスを利用できるようになります。

コロナ後でオンラインのやりとりが当たり前になってからは、より重要性となっているのは言うまでもありません。

AI、ビッグデータ

AIは、膨大な過去のデータであるビッグデータによって学習をすることで、特長を発揮できるようになります。

前述のIoTの普及により、私たちの身近にあるモノがインターネットとつながるようになると、AIが搭載されているモノは自らデータを集め、学ぶようになります。

たとえばお掃除ロボットは、掃除を繰り返す中で家の構造を把握し、掃除ルートを最適化していきます。

いまや工場の自動化や自動運転からマーケティングまで、さまざまな場面でAIは活用されてきています。

VR、AR

AR(Augmented Reality、拡張現実)やVR(Virtual Reality、仮想現実)はゲームのイメージが強いかもしれませんが、さまざまな領域で実用化が進んでいます。

両技術を使い、不動産業界では現地に行かなくても物件の内見ができるようになっています。

最近は、メタバースという言葉もよく耳にしますよね。

メタバースは、簡単にいうと仮想世界にもう1つの生活圏を作るというイメージです。

世界有数の企業である、Google、Apple、Facebook(現Meta)、Microsoftなどは、メタバースの主導権を取るべく多額の投資を続けています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタルを利用した変革です。

IT化との違いでいうと、IT化はペーパーレスなどのように業務の効率化を推進するイメージで、DX化はデジタル技術を活用してビジネスモデルや企業自体に変革を起こすイメージです。

Amazon、ZOZOTOWN、メルカリなどがDXの身近な先行事例として挙げられます。

新型コロナウイルスの流行によって、多くの企業のDX化はより進んでいます。

IT業界の今後

次に、IT業界の将来性について考えます。

最初に結論から書くと、まだまだ将来性のある業界と言っていいでしょう。

その理由を解説します。

今後も好調な理由

IT業界は、今後も好調な業界といえます。

国を挙げてIT化が推進されていたりするので、サービス、仕事、人材などの需要が減ることはいまのところないでしょう。

また世界のトップ企業を見ても、IT業界の未来が明るいことがわかります。

以下が、世界の時価総額ランキング(2022年7月末時点)になります。

世界株式時価総額ランキング
1. Apple
2. サウジアラムコ
3. Microsoft
4. Alphabet(Googleの親会社)
5. Amazon.com
6. テスラ
7. バークシャー・ハサウェイ
8. ユナイテッド・ヘルス・グループ
9. ジョンソン&アンドジョンソン
10. エヌビディア

世界の時価総額トップ10企業の半分を、IT企業が占めています。

株価が高いということは、つまりこれからの成長が期待できるということになります。

IT人材の需要も拡大傾向

IT人材の需要もいまだに増えています。

今後もIT技術の発展が続いていくことが予測できるので、IT人材の需要はさらに加速していくことが考えられます。

ITの知識、実力、経験などを身につけることで、高い年収を得ることもできます。

まとめ

本記事では、IT業界を5つに分類して紹介し、重要な技術や、業界の今後や将来性について解説しました。

IT業界はさまざまなサービスを提供することで、私たちの生活を豊かにしてくれます。

今後も注目は続くでしょうし、技術の発展に伴い、人材の需要もさらに高まっていくことが予想されるので、将来性のある業界なのです。


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