電子申告の場合は?
電子申告を行う場合、上で紹介してきた添付書類のほとんどを省略することが可能です。
たとえば、確定申告書にマイナンバーを記入することから、源泉徴収票の添付は不要となっています。
会社員の確定申告に必要なもの
会社員の方でも確定申告を行う際、控除を受ける場合には以下の書類が必要となります。
ここでは、控除のために必要となる書類について解説していきます。
医療費控除を受ける場合に必要なもの
医療費控除を受ける場合には、以下の書類の提出が必要となります。
なお、医療費控除のほかにもセルフメディケーション税制という制度があり、一定額以上の医療費等の支払がある場合には、こちらの税制も利用することが可能です。
その場合も、セルフメディケーション税制の明細書の提出が必要となります。
種類 | 控除を受けられる場合 | 必要書類 |
医療費控除 | 一定額以上の医療費等の支払がある | ・医療費の明細書 ・医療費の領収書 ・健康保険の医療費通知 |
セルフメディケーション税制 | 一定額以上の医療費等の支払がある | ・セルフメディケーション税制の明細書 |
住宅ローン控除を受ける場合に必要なもの
住宅ローンなどを利用してマイホームの新築等をした場合には、住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除は正確には、住宅借入金等特別控除と呼ばれるもので、登記事項証明書の原本・請負契約書の写しか売買契約書の写し・住宅ローンに関わる借入金の年末残高等証明書といった書類の提出が必要となります。
自然災害や盗難被害に遭った場合に必要なもの
災害または盗難、もしくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に受けられる所得控除は雑損控除と呼ばれます。
雑損控除を利用するためには、以下のような書類の提出が必要です。
種類 | 控除を受けられる場合 | 必要書類 |
雑損控除 | 災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた | ・火災は消防署、盗難は警察が発行する被害額届出用の証明書 ・災害等に関連して支出した金額についての領収書 など |
ふるさと納税をしている場合に必要なもの
ふるさと納税を利用していてワンストップ特例を利用していない場合には、以下の表のように、寄附金控除を受けるためにその支払金額を証する書類の提出が必要です。
ワンストップ特例とは、寄附の度に自治体へ申請をすれば確定申告を行わずに済む制度のことを言います。
種類 | 控除を受けられる場合 | 必要書類 |
寄附金控除 | 国に対する寄附金やふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)、特定の政治献金などがある | ・その支払金額を証する書類 |
2カ所以上から給与を受け取っている場合に必要なもの
副業やダブルワークなどによって2カ所以上から給与を受け取っている方で、年末調整されない給与が20万円を超えるケースでは、確定申告をしなければなりません。
この場合、すべての勤務先から発行された源泉徴収票を用意して、確定申告書にそこに記載されている金額を転記する必要があります。
なお、源泉徴収票を確定申告書に添付する必要はありません。
個人事業主の確定申告に必要なもの
ここでは、個人事業主やフリーランスの方が確定申告の際に必要となる書類について解説していきます。
青色申告に必要なもの
個人事業主やフリーランスの方で青色申告を行っている方は以下の書類を税務署に提出する必要があります。
- 確定申告書B
- 青色申告決算書
白色申告に必要なもの
他方、青色申告ではなく、白色申告を行っている方については、以下の書類を税務署に提出しなければなりません。
- 確定申告書B
- 収支内訳書
確定申告の提出期限
確定申告は所得税法上、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日〜3月15日までの間に申告しなければならない旨を定めています。
近年は新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、提出期限が延長されるなどの対応がとられてきたものの、2022年12月現在では提出期限の延長については認められていないため、時間に余裕を持って準備をしておくことが大切です。
確定申告書をミスなく正確に提出するためには
確定申告書をミスなく正確に提出するためには、手書きではなく、確定申告ソフトを利用するのがおすすめです。
確定申告ソフトは国税庁が提供しているウェブ上で利用できるものもあり、そちらを利用することで手間なく確実に確定申告書を作成できます。
確定申告書のフォーマットが変わったり、申告内容が変わったりすると添付書類も変わるため、毎年確定申告の書き方についてはどのような変更があったのかを踏まえて記入することが大切です。
まとめ
確定申告に伴う手間を削減することを目的として、源泉徴収票の添付が不要になるなど、確定申告をしやすい環境が整ってきています。
確定申告を適切に行うためには、添付書類を前もって準備しておくことが大切です。
源泉徴収票の添付は不要になっても、所得金額を確定申告書に記入するうえで源泉徴収票はまだまだ欠かせません。
確定申告において何が必要な書類で、何が不要であるのか、しっかりと理解しておくようにしましょう。
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