e-Taxを利用することで、住宅ローン控除の手続きがより簡単に行えるようになりました。この記事では、e-Taxを使って住宅ローン控除を行う方法について解説していきます。

この記事の目次

住宅ローン控除とは

e-Taxを利用した住宅ローン控除の申告について説明する前に、住宅ローン控除について説明していきます。

住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて住宅の新築・取得または増改築等をした場合に、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部については翌年の住民税)から最大13年間控除する制度のことを言います。

個人が住宅ローンを活用して住宅を購入・新築等した場合に所得税が減額される制度です。

控除不足額(所得税から減額しきれない金額)がある場合には、一定額を限度として住民税から減額することもできます。

令和4年度住宅税制改正の内容

令和4年度住宅税制改正に際して、中間層による良質な住宅の取得を促進することで住宅投資を喚起し、新型コロナで落ち込んだ経済の回復を図ると同時に、環境性能等の優れた住宅の普及拡大を推進することを企図して、住宅ローン減税制度が改正されています。

住宅ローン減税に関しては、控除率、控除期間等が見直され、環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置等が講じられました。

具体的には、住宅ローン控除の控除額と控除期間が改定されています。

2021年までは控除率1%、控除期間10年間(特例措置で13年間)となっていたものの、2022年以降に住宅ローン控除の適用を受ける場合、控除率は0.7%、控除期間は13年間(既存住宅と増改築の場合は10年間)となります。

その上で、住宅ローン減税の適用期限が4年間延長されています。

これによって、2021年12月末までに(一定の要件を満たしている場合には2022年12月末まで)入居した場合が住宅ローン控除の適用対象となっていましたが入居にかかる適用期限が4年間延長されたことによって、2025年12月末までに入居すれば住宅ローン減税の適用が受けられるようになりました。

住宅ローン控除の申告等の方法

住宅ローン控除を受けるためには、初年度と2年目以降で異なる手続きをとる必要があります。

そこで以下では、それぞれの手続きについて解説していきます。

初年度(1年目)の申告等の方法

住宅ローン控除を受ける最初の年分は、必要事項を記載した確定申告書を納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。

確定申告書には区分に応じてそれぞれに掲げられた書類を添付しなければなりません。

ただし、e-Taxを利用する場合にはこれらの書類を省略することができます。

なお、会社に勤めているような給与所得がある人は、2019年4月1日以後、給与所得の源泉徴収票を確定申告書へ添付、もしくは確定申告書を提出する際の提示が不要となっています。

税務署等で確定申告書を作成する際には、引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となるので、忘れずに持参してください。

2年目以降の申告等の方法

住宅ローン控除について2年目以後の年分は、必要事項を記載した確定申告書に必要書類を添付することで特別控除の適用を受けられます。

会社に勤める給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、確定申告書を提出する必要があるものの、2年目以降については、年末調整をするだけで特別控除の適用を受けられます。

最初の1年目に確定申告を行っていれば、税務署から「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が送付されてくるので、それを使って年末調整に関する書類を作成し、勤務先に提出する必要があります。