「3月15日に確定申告が終わって一安心」も、つかの間。実はもう1つ、確定申告が残っています。消費税です。今回、インボイスに登録して消費税を納めることになる人向けに、消費税の確定申告をお伝えします。

この記事の目次

個人事業者の消費税の確定申告の流れ

最初に消費税の確定申告の流れをざっと確認しましょう。

消費税の計算期間と確定申告の時期は、個人の事業者の場合、次のようになっています。

私たちが「確定申告」とふだん呼んでいるのは所得税の確定申告です。

この他、贈与税の確定申告もあります。

いずれも計算期間は1月1日から12月31日まで、申告の期限は3月15日です。

個人事業者の消費税も計算期間は1月1日から12月31日までなのですが、申告期限が違います。

年明け1月1日から3カ月後、つまり3月31日となっています。

確定申告をすべき人

個人事業者で確定申告が必要なのは、消費税を申告して納める義務のある人です。

具体的には次の人となります。

  1. 一昨年の課税売上高が1000万円を超える人
  2. 昨年1月から6月までの課税売上高が1000万円を超える人
  3. 1にも2にも当てはまらないけれど「消費税課税事業者選択届出書」を提出した人

上記3つのいずれにも当てはまらない人は消費税の申告も納税も不要です。

ただ、今年10月から始まるインボイス制度にともない、インボイスの発行事業者として登録すると消費税の納税義務が生じます。

消費税の計算方法

消費税の計算方法には2種類あります。本則課税と簡易課税です。

本則課税

原則的な消費税の計算方法です。

納税義務者は全員使えます。

納める消費税の計算のイメージは「預かり消費税-支払消費税」です。

実際は、国に納める消費税と地方財源となる地方消費税とに分けて計算します。

【引用元】令和4年分消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 個人事業者用(一般用)

こう見ると簡単そうに見えますが、課税売上と課税仕入れにはそれぞれ条件があります。

ここでいう課税とは「消費税がかかる」という意味ですが、実際は次のように分けていきます。

このようにして区分し、最終的に10%・8%で残った部分で納税額を計算していくイメージです。

「これだけ」と言いたいところですが、実際の計算はもっと大変です。

納税義務があるかどうかを判定するときの「課税売上高」には輸出免税売上も含めます。

小売業と居住用アパートの賃貸経営の両方があるときは、課税売上割合の計算で非課税売上も用います。

誰もがラクに計算できる、とは言い難いのです。

なお、支払消費税を預かり消費税からさしひくことを「仕入税額控除」と言います。

2023年10月以降、インボイスの要件を満たした請求書や領収書がなければ仕入税額控除はできません。

簡易課税

簡易課税は、本則課税よりもシンプルな納税額の計算方法です。

個人事業者は、一昨年の課税売上高が5000万円以下なら使えます。

「預かり消費税-(預かり消費税×みなし仕入率)」で納税額を計算するイメージです。

具体的には次のように計算します。

【引用元】No.6505 簡易課税制度(国税庁)

みなし仕入率は、事業の区分ごとに次のようになっています。

【引用元】令和4年分消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 個人事業者用(簡易課税用)(国税庁)

カンタンと言われる簡易課税ですが、そうとも限りません。

2種類以上の事業を営み、かつ一方の売上比率が75%未満だと計算が面倒になります。

なお、2023年10月以降、簡易課税で計算しているならインボイスの保管は不要です。