固定資産税は支払うべき税額が決まっているため、減税などの制度はありません。しかし、特定の決済方法を利用すればポイントを貯めることができます。2024年最新版!ポイントが貯まるお得な固定資産税の支払い方法を解説します。

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2024年度(令和6年度)税制改正大綱が決定しました。住宅ローンの借入限度額などの変更がありました。

2024年度は、3年に1度の固定資産税評価額の評価替えの年にあたります。しかし、コロナ禍などの影響を鑑み、負担調整措置が延期されることが決まっています。

とはいえ、固定資産を持つ人は税金を払わなければならないことに変わりはありません。最近はキャッスレスでの納付も整備されました。

ポイント還元が受けられるなど、お得な払い方はあるのでしょうか。

2024年最新の情報を解説します。

そもそも固定資産税は誰に支払うの?

固定資産税は地方税であるため、地方自治体に支払うことになります。

具体的に言えば、土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に対し、市町村税として納税するルールです。

ただし、東京都23区内の場合には、東京都に対し都税として納税するルールとなっています。

以下では、固定資産税の支払対象となる資産について説明したうえで、固定資産はどのように支払うのが一般的なのかを詳しく解説していきます。

支払い対象の資産について

固定資産税の支払対象となる資産は、土地・家屋・償却資産の3つです。

土地とは、次のようなもののことを言います。

  • 林、牧場、原野その他の土地(雑種地)

一方、家屋とは、次のようなもののことを言います。

  • 住宅・店舗・工場・倉庫・物置などの建物

ただし、すべての建物が固定資産税の対象となるかと言えばそうではありません。

課税の対象になる家屋とは、土地に定着して建造されたもので、独立して風雨をしのぐことのできる建物(塀門柱などの構築物は除く)のことを言います。

1月1日現在の時点において家屋と認められる建物である場合には、登記登録に関わらず、一部が未完成であったとしても固定資産税の支払い対象資産となる可能性があります。

さらに、償却資産とは次のような資産のことを言います。

  • 土地及び家屋以外の、事業の用に供することができる資産

具体的には、次のような資産のことです。

資産の種類 主な償却資産の例示
1. 構築物 舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板(広告塔等)、
ゴルフ練習場設備等
1. 構築物(建物附属設備) 受変電設備、予備電源設備、その他建築設備、内装・内部造作等
2. 機械及び装置 各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備 (ターンテーブルを含みます)等
3. 船舶 ボート、釣船、漁船、遊覧船等
4. 航空機 飛行機、ヘリコプター、グライダー等
5. 車両及び運搬具 大型特殊自動車(分類番号が「0、00 ~ 09 及び 000 ~ 099」、「9、90 ~ 99 及び 900 ~ 999」の車両)等
6. 工具、器具及び備品 パソコン、陳列ケース、看板(ネオンサイン等)、医療機器、測定工具、金型、 理容及び美容機器、衝立、ルームエアコン、応接セット、レジスター、 自動販売機等

(引用:固定資産税(償却資産) 申告の手引き のp.3)

自動車税が課税される自動車、軽自動車税が課される原動機付自転車・軽自動車・小型特殊自動車・二輪小型自動車は償却資産からは除かれるので注意してください。

固定資産税は4回の分割納付が一般的

固定資産税は、1年分の金額を第1期から第4期までの4回に分けて分納するのが一般的ですが、自治体によっては第1期の納付期限に一括払いが可能なエリアもあります。

そもそも、固定資産税は賦課期日と呼ばれる1月1日現在の固定資産(土地・家屋・償却資産)の所有者が納めなければならない税金で、およそどの自治体であっても、毎年、4月上旬~6月下旬頃に、納税通知書が送付されてきます。

この納税通知書には、第1から4期の各納期限ごとの納付書が同封されており、これを利用して固定資産税の納税を行います。

【要確認】支払期限は地域によって異なる

固定資産税を4回に分割して納める分割納税の場合、たとえば東京都の納付時期は以下のようになります。

  • 第1期:6月末
  • 第2期:9月末
  • 第3期:12月末
  • 第4期:翌年2月末

ただし、固定資産税は国税ではなく地方税のため、自治体によって納付方法や納付期限に違いがあることに留意してください。

固定資産税の負担を軽減するために月1回の支払いにしたいと考える人もいるかもしれませんが、固定資産税は基本的に4分割か一括払いとなるので注意してください。

固定資産税を支払ってお得にポイントを貯めるおすすめの方法

固定資産税の税額は、あらかじめ決められたものなので割引はありません。

しかし、固定資産税を払う際にクレジットカード決済やQRコード(スマホ)決済などを利用することで、ポイントをもらうことができます。

支払ったポイント分だけお得になるので積極的に利用しましょう。

ここでは、固定資産税を支払う際に利用するとお得になる決済方法について解説していきます。

手数料不要!スマホ決済でポイントを貯める

固定資産税はスマホ決済で支払うことが可能です。

スマホ決済とは、スマホ決済アプリ(PayPay・LINE Pay・au PAYなど)を利用し、スマートフォンやタブレット端末から、納付書に印刷されているバーコードを読み取ることにより納付する方法のことを言います。

手数料もかからず、納付書があれば自宅からでも固定資産税の納付ができるので便利です。

ただし、スマホ決済アプリに対応していない自治体については、スマホ決済を利用できません。

東京都で利用できるスマホ決済アプリは、令和5年5月1日の時点で次のとおりです。

  • au PAY
  • d払い
  • J-Coin Pay
  • LINE Pay
  • PayB
  • PayPay
  • モバイルレジ
  • 楽天銀行アプリ
  • 楽天Pay

2024年から、楽天Payでも支払いが可能になりました。(出典:東京都報道発表資料)

 

スマホ決済であれば必ずポイントがつくかと言えば、そうではありません。

利用するアプリによって取扱いが異なるので注意してください。

ポイント還元率
au PAY 0.5%のPontaポイント(200円ごとに1ポイント)
d払い 0%(dポイントの還元はなし)
J-Coin Pay 0%(ポイント還元はなし)
LINE Pay 0.5%のLINEポイント
※1回あたりの支払いにつき5万円を超える分にはポイントは付きません。
PayB 0%(ポイント還元はなし)
※決済に利用するクレジットカードによってカード会社に応じたポイントがつくケースがあります
PayPay 0%(ポイント還元はなし)

楽天Payでは、ポイント還元はありませんが、期間限定ポイントを含めた楽天ポイント、楽天キャッシュが利用可能です。

なお、スマホ決済アプリで納付できるのは納付書1枚当たりの金額が30万円までと定められています。

これとは別に、スマホ決済アプリ内で各自で設定した利用上限金額によって納付できる金額が制限されるケースもあるので注意してください。

また、スマホ決済の場合、納付の履歴はスマホ決済アプリの支払履歴等で確認するしかありません。

領収書は発行されませんので、合わせて注意してください。

電子マネーとクレジットカードを連携してポイントを貯める

2017年1月から、所得税や法人税といった国税のクレジットカード納付が認められるようになりました。

それをきっかけに、地方税についてもクレジットカード払いが徐々に広まってきています。固定資産税も同様です。

現金決済ではなくキャッシュレス決済が整備されつつあり、クレジットカードと電子マネーを連携することで、固定資産税の支払いの際にさらに多くのポイント還元を受けることができ、便利でかつお得です。

たとえば、LINE Payは通常はポイント還元が0%であるものの、Visa LINE Payカードを契約している人でLINE Payで支払った方については0.5%の還元が行われます。(限度額あり)

一括で支払えば安くなるという噂は本当?

固定資産税は、一括で支払っても分割で支払っても、その支払総額は変わりません。

したがって、一括で支払った場合に適用される割引制度などもありません。

一括で支払うと安くなるというのは嘘ですので注意してください。

なお通常、固定資産税の納付書は期別納付書4枚と全期一括分の納付書1枚の合計5枚が納税通知書に同封されています。

全期一括分の納付書と期別納付書を同時に使用してしまうと、固定資産税の二重払いとなってしまうので注意してください。