個人事業主の所得税計算のポイント・注意点

個人事業主が所得税を計算する際に押さえたいポイントおよび注意点として、以下の4点が挙げられます。

  • 適用を受けられる控除制度を漏れなく活用する
  • 確定申告の準備は早めに始める
  • 青色申告と白色申告では控除額が異なる点に注意する
  • 誤った計算で確定申告書を提出してしまった場合の対応

それぞれ詳しく解説します。

適用を受けられる控除制度を漏れなく活用する

所得税の正しい計算のため、そして必要以上の納税を防ぐためには、適用を受けられる控除制度を漏れなく活用することが大切です。

所得控除や税額控除は、要件を満たしている場合に自動で適用されるわけではありません。

要件を満たしているか確認し、適用を受けられる場合は自身で申告・計算を行う必要があります。

仮に適用を受けられる制度が存在しても、申告に漏れがあれば控除を受けられず、必要以上の税額が発生してしまうのです。

税額を最小限に抑えるため、控除制度の要件を確認し、適用を受けられる制度は漏れなく活用しましょう。

確定申告の準備は早めに始める

確定申告の準備は、早めに始めるのがおすすめです。

確定申告では必要な作業が多い上、必ずしもスムーズに進むとは限りません。

期日ギリギリに作業を始めた結果、書類不足や不明点の発生などのトラブルが起こり、時間が足りなくなる恐れがあります。

確定申告の期日は、毎年3月15日(土日にかぶる場合は翌平日)と明確に定められています。

期日を過ぎてしまうと、ペナルティとして延滞税や加算税が課せられる恐れがあり、負担が大きくなります。

また、期日まで余裕がない状態は、単純に心理的な負担やストレスにもつながりやすいです。

トラブルがあっても余裕を持って進めるため、またストレスを小さくするためにも、確定申告は早めに着手するのが安心です。

書類の用意や記帳など、年内に実施できる作業があれば早めに進めましょう。

青色申告と白色申告では控除額が異なる点に注意する

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。

それぞれさまざまな相違点がありますが、中でも特に大きな違いが控除額です。

青色申告の場合、前章で紹介した所得控除・税額控除制度のほかに、青色申告特別控除の適用を受けられます。

青色申告特別控除は所得額から差し引くため、結果として青色申告の方が所得税額が小さくなるのです。

青色申告特別控除の額はケースによりますが、10万円・55万円・65万円いずれかの額が適用されます。

白色申告の場合、青色申告のような特別控除の制度はありません。

控除額の大きな違いに注意する必要があるでしょう。

青色申告と白色申告の違い

特別控除の有無以外にも、青色申告と白色申告には以下の違いがあります。

  • 税制上の優遇措置の有無:以下のような優遇措置があるのは青色申告のみです。白色申告にメリットはないといえるでしょう
    • 最大3年にわたって赤字の繰越控除が可能
    • 30万円未満の減価償却資産を全額経費計上できる(年間での合計に上限あり)
    • 家族や親族への給与を経費として計上できる
  • 帳簿付けの方法:青色申告は複式簿記での帳簿作成が義務付けられています
  • 手続きの必要性:青色申告は事前の申請が必要です
  • 確定申告での提出書類:白色申告は収支内訳書、青色申告は決算書の提出が必要です

以上をまとめると、青色申告は手間が大きい分優遇措置があり、メリットも多い、白色申告は手間が小さい分、メリットは少ない制度です。

青色申告にする方法

青色申告にするためには、所轄の税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。

提出期限は、青色申告の適用を受けたい年の3月15日となっています。

たとえば2023年分から青色申告の適用を受けたい場合、2023年3月15日までに申請書を提出する必要があります。

誤った計算で確定申告書を提出してしまった場合の対応

誤った計算により確定申告書を提出してしまった場合、なるべく早く対処が必要です。

誤りが発覚したタイミングによって必要な対応が変わるため、それぞれ詳しく解説します。

確定申告期日前の場合

確定申告の期日前であれば、正しい内容で確定申告書を作成し再度提出すれば問題ありません。

期限内に同じ人から同じ税に関する申告書が提出された場合、もっとも新しい(=最後に提出された)申告書で対応をするためです。

確定申告期日後の場合

確定申告期日後の場合、実際の税額よりも多く申告しているか・少なく申告しているかによって、必要な対応が変わります。

実際の税額よりも多く申告していた場合、更正の請求書の提出が必要です。

更正の請求書の内容が正当であると判断された場合、納付し過ぎていた分の税額が還付されます。

実際の税額よりも少なく申告していた場合、修正申告として申告書第一表および申告書第二表の提出が必要です。

また、不足していた税額についても修正申告書を提出するまでに納付する必要があります。

税額や修正申告のタイミングによっては延滞税が発生する可能性があるため、延滞税の有無についても確認しましょう。

延滞税が発生する場合、不足分の税額とあわせて支払いが必要です。

個人事業主が所得税の計算で悩んだら、確実なのは専門家への相談

「個人事業主の所得税、計算の流れ」において、所得税を計算する方法を具体例を用いて解説しました。

今回は分かりやすい数字による非常に簡単な計算でしたが、実際はより複雑な作業が求められます。

収入や必要経費を漏れなく計上するのはもちろん、所得控除・税額控除の適用可否についても判断する必要があります。

また、確定申告書を作成する上でのルールの遵守も重要です。

計算ミスや不備・漏れがあれば、誤った税額となってしまい、延滞税や加算税が発生する恐れがあります。

つまり、所得税の計算で疑問や悩みが生じたとき、自分ですべて対処しようとするのはリスクが高いといえるでしょう。

個人事業主が所得税の計算で悩んだら専門家へ相談し、サポートを受けるのが安心です。

まとめ

個人事業主は、自身で所得税の計算および申告を行う必要があります。

所得税の計算の流れは一見単純ですが、実際はさまざまな作業や計算が必要です。

所得税計算の方法だけでなく、所得税に関するポイントや注意点の把握も求められます。

専門知識のない人が、所得税額を正確に計算するのは容易ではありません。

所得税の計算について疑問や不安があれば、ぜひ専門家へご相談ください。


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