一般的に税理士の年収は高いと言われています。しかし、実際のところ税理士の年収は必ずしも高いわけではありません。この記事では、税理士の年収の現実を探ります。
この記事の目次
税理士の年収の現実的なデータ
税理士として働く方の年収データは、それほど多くありません。
そもそも、税理士として働く方の年収は個人情報であることからあまり収集されていないこと、そして集計されていてもその方法も様々です。
以下では、信頼できる参照元から公表されている税理士の年収データを紹介していきます。
あくまでも参考の数字として活用してください。
賃金構造基本統計調査にみる税理士の平均年収
厚生労働省は、毎年実施される「賃金構造基本統計調査」を通じて、税理士を含む賃金に関するデータを収集し公開しています。
この調査によると、令和4年度の公認会計士および税理士の年収は、約746万円(固定給与額×12か月+年間賞与や特別手当額を含む)と報告されています。
なお、令和3年度については約658万円でした。
ただし、この調査結果は「公認会計士」と「税理士」の両者をまとめたデータであり、それぞれの職種の割合や勤務先の職種などの詳細情報が提供されていないため、実際の年収事情を正確に把握するのが難しい状況です。
公認会計士と税理士はそれぞれ異なる職種であり、その職務内容や専門性も異なるため、両者を一緒くたにしたデータの利用価値については慎重に検討する必要があります。
日税連の調査結果にみる税理士の平均年収
平成26年4月に、日本において税理士として働いている方が登録している日本税理士会連合会が「第6回税理士実態調査」の集計結果(回答数33,767件、回答率43.8%)を公表しています。
日税連が実施したアンケート調査では、税理士の年収を「開業税理士」、「補助税理士」、「社員税理士」という3つのカテゴリーに分けて調査が行われています。
その結果は次のとおりです。
| 平均年収 | |
| 補助税理士 | 597万円 |
| 開業税理士 | 744万円 |
| 社員税理士 | 888万円 |
| 計 | 740万円 |
(引用: 第6回税理士実態調査報告書 )
会計税務コンサルティング会社の調査結果にみる税理士の平均年収
会計税務コンサルティングサービスを提供するアカウントエージェント株式会社が税理士の平均年収に関する調査を行っています。
そのなかで、会計事務所・税理士法人が採用する税理士の平均年収は570万円とされています。
さらに、コンサル・アドバイザリーとして採用される場合の税理士の平均年収は722万円であることが示されています。
税理士は企業内において経理・財務部門の従業員として働くこともあり、その従業員として採用される税理士の平均年収は663万円でした。
この調査のなかでは、税理士として最も高い年収を誇るのはBIG4の税理士法人で働く従業員で、その年収は1,000万円〜2,000万円程度とされています。
税理士は年収格差が激しい理由とは?
一般的な会社員などの年収と比較すれば税理士の年収は高い一方で、税理士としての勤務形態によって年収格差が激しいことがわかったと思います。
以下では、なぜ税理士の年収格差が激しいのか、その要因を分析していきます。
年収格差の理由:経験とスキル
税理士の年収は、経験年数やスキルに大きく依存します。
経験が豊富で専門知識が高い税理士は、より高額な報酬を得られる傾向があります。
また、独自の専門分野や顧客ニーズに対応できるスキルを持つ税理士は、他の税理士と差別化された価値を提供できるため、高い年収が見込まれます。
年収格差の理由:勤務形態
税理士の勤務形態によっても年収に違いが生じます。
一般的に、開業税理士は、自分でクライアントを獲得し、ビジネスを拡大することで高収入を得ることができます。
一方で、勤務税理士は、所属する会社や事務所によって給与が異なるため、年収にばらつきが生じることがあります。
年収格差の理由:クライアントの規模と業種
税理士が担当するクライアントの規模や業種も、年収に影響を与えます。
大企業や成長産業のクライアントを多く抱える税理士は、高い報酬が得られることが一般的です。
逆に、中小企業や地域密着型の事業を主に担当する税理士は、年収が低い傾向があります。
年収格差の理由:地域差
地域によっても税理士の年収に差が生じることがあります。
都市部では、経済活動が活発であり、多くの企業が存在するため、税理士に対する需要が高く、年収も高くなる傾向があります。
一方で、地方では、企業数や規模が限られており、税理士の年収が低くなる可能性があります。
年収格差の理由:職位や役職
税理士の職位や役職も、年収に影響を与えます。
例えば、税理士法人のパートナーや役員になると、その役職に伴う報酬が支給されるので、年収が高くなることが一般的です。
また、税理士事務所のマネージャーやチームリーダーといった管理職に就くことで、責任範囲が広がり、それに応じて年収が上昇することがあります。
年収格差の理由:ネットワークと人脈
税理士が築いたネットワークや人脈も、年収に大きな影響を与える要因です。
広範な人脈を持つ税理士は、新しいビジネスチャンスやクライアントの紹介を受けやすく、結果的に年収が高くなることがあります。
そのため、積極的なコミュニケーションや人間関係の構築が、税理士の収入アップに繋がることがあります。
年収格差の理由:付加価値のあるサービス
税理士が提供するサービスの質や付加価値も、年収に影響を与える要因のひとつです。
税務だけでなく、経営コンサルティングや財務アドバイスなど、幅広いサービスを提供することで、より多くのクライアントから信頼を得られ、高い報酬が得られる可能性があります。
これらの要因から、税理士の年収格差が生じることがわかります。
個々の税理士が、自分のスキルや経験を活かし、クライアントに価値を提供することが、年収アップに繋がる重要なポイントとなります。



