仕事の業績を上げるため、どう数字を見て動くべきかの秘訣を知りたいという方は、少なくないのではないでしょうか?そんなあなたにおすすめなのが、公認会計士・税理士の萩口義治先生による『儲かる会社の「しゃべる」数字』です。初の著書を書き上げた萩口先生に、その秘訣についてお話をうかがいました。
業界上位5%の会計事務所・コンサル会社になるまで
■まずは自己紹介からお願いできますでしょうか。
萩口:はぎぐち公認会計士・税理士事務所という会計事務所と、株式会社HG&カンパニーというコンサル会社を経営しております、萩口義治です。会社と事務所を設立した2012年12月から約10年が経ちまして、規模としては業界上位5%まで成長してきました。
■そこまで成長されるのに、特に力を入れてきた分野はありますか?
萩口:開業当初は、「創業支援に特化した資金調達に強い会計事務所」というキャッチコピーで、創業補助金採択数で都内の会計事務所で1位になったり、クラウド会計ソフトの「マネーフォワード クラウド会計」を50社に導入した関東初の事務所になったりしました。また融資の支援などにも注力することで、通常3年以内に廃業する会社が50%と言われる中、弊社の顧問先は、創業から3年を超える会社継続率が95%を超えるというような成果も出すことができています。
さらに、そうした創業から契約しているお客様が徐々に成長期へと推移してきたので、7年ほど前からはそのようなお客様向けに、事業計画のコンサルティングも提供しています。最近では、認定支援機関と共に事業計画を作る場合に費用の2/3を国が負担してくれる、「早期経営改善計画」の支援数が都内の公認会計士の中で1位になるなど、この分野でもそれなりの実績を積んでいます。
儲かる会社は数字が「しゃべる」?
■このたび出版された初の書籍は、どのような内容なのでしょうか?
萩口:2022年12月に、『儲かる会社の「しゃべる」数字』(日本経済新聞出版、https://amazon.co.jp/dp/4296113712)が出版されました。弊社が「数字のチカラで未来を変える」という世界観から提供している事業計画の策定と、進捗管理のコンサルティングについてを中心に書いています。
発売当初より、八重洲ブックセンターのビジネス書ランキングで1位になったり、丸善や三省堂書店などでもランク入りしたり、各書店やアマゾンなどでみなさまにすごく手に取っていただいているようで、とてもうれしいです。特に会計士や税理士の同業の方からの評判がとてもいいのも、うれしいですね。おかげさまで、発売から1か月半で重版になっています。普遍的なことを書いている本なので、末永く多くの方に読んでいただければと思っています。
■その「数字のチカラで未来を変える」が、書籍タイトルの『「しゃべる」数字』とつながるのだと思いますが、数字が「しゃべる」ことについて、詳しく聞かせてください。
萩口:私が6年間にわたって、相当な数の事業計画のコンサルをやってきた中で1つ辿り着いたのが、「行動の結果が数字である」ということです。数字のチカラで本当に未来を変えることにコミットしてきた中で、未来を変えるためには、数字だけでなく行動とも結びつけて事業計画を作ることが必要という結論に達しました。
その上で、「1. 事業計画策定の際に、数字を達成するためにはどんな行動を取ればいいのか?」「2. 事業計画の進捗管理の際には、数字に対してどんな行動を取るのが効果があって、どんな行動が効果がなかったか?」を見るわけですが、その際にある工夫をすると数字が雄弁にしゃべりだすというのを、自分が自然と使っているのに気がつきました。
書籍でも書いているのですが、そのある工夫というのが、「要素分解」という考え方です。例えば売上高を「客単価 × 顧客数」に要素分解すると、売上を上げるためには、「客単価を上げるための行動は?」「顧客数を増やすための行動は?」という2つの道筋が見えてきますよね。さらに、「顧客数 = 紹介 + 広告 + セミナー」と考えれば、「紹介を増やすための行動は?」「広告からの顧客を増やすための行動は?」「セミナーからの顧客を増やすための行動は?」など、道筋をより具体的な行動計画に落とし込むことができますよね。
また進捗管理でも、売上が増減した原因を分析するのに、「客単価の推移」と「顧客数の推移」を見てみることで、客単価が計画通りに受注できているか、顧客数は計画通りに増やせているかという観点から、売り上げの推移を見ることができます。そこで、例えば顧客数は計画通りだけど客単価が下がっているのであれば、客単価を上げるための行動に注力すべき、となります。
そんな風に数字を使い、そしてその数字に行動も絡めていくことで、本当にお客様の未来を変えていくことができる、実効的なコンサルが可能になるわけです。そのような考え方や事業計画の手順なども含めて、書籍に書いています。