早期退職を実現するには
セミリタイアするため、資産運用と労働収入の両面から考えていく必要があります。
投資の利率が年5%となるように
50歳で余剰資金30,000,000円を持っていることと65歳までの生活費はアルバイトで稼ぐことを前提にすると、リタイア後に5%で運用した場合、15年後の年金受給開始時には余剰資金62,370,000円まで増やせます。
150,000円×12×25年=45,000,000円なので、余裕を持って生活可能です。
早期退職を念頭に入れつつもなるべく長く働く
必要金額を補うためには、アルバイトなどを長期間続けて収入を増やすことも必要です。
健康に問題がなければ、実現可能な方法です。
自営業や副業も含めると、かなり長い期間働くことができるでしょう。
早期退職時に知っておくべきポイント
早期退職時に知っておくべきポイントを説明します。
早期退職前よりお金をたくさん使うのはNG
セミリタイア前後で支出を大幅に変えることは現実的には難しいです。
家賃や住宅ローンなどの既にある契約による支出は基本的に変更することができないからです。
また、節約しすぎてストレスが増えてしまうと、自分の時間が増えて充実した生活を送ることができなくなってしまうかもしれません。
そのため、老後資金をシミュレーションする際には、支出をできるだけセミリタイア前と同じぐらいで考えておくと良いでしょう。
年金は収入によっては減る
セミリタイアする際には、労働収入による年金減額に注意が必要です。
特に、65歳以上でも働いている場合「毎月の収入 + 年金の総報酬月額相当額の合計額が480,000円以上」である場合には、年金が減額されます。
年金は年々受給額が減少しているため、早い段階で受け取ることを望む人も多いでしょう。
年金が減額されると、元を取るまでの年数が長くなってしまいます。
そのため、労働収入を調整し、資産運用で生活費をカバーできるように注意しましょう。
イレギュラーも加味する
セミリタイアして労働収入が減少するため、予定外の出費が相次いだ場合、将来の生活費に圧迫をかける可能性があります。
そのため、リタイア計画時には、予算を「多めに見積もる+予想外の出費」を加えたシミュレーションを行うことが重要です。
例えば、入院や手術費用、老朽化した自宅の修繕やリフォーム費用、子供の結婚や出産にかかる費用、自身の将来的な老人ホーム入居費用などを事前に考慮しておくことが望ましいです。
早期退職でも年金を増やす方法
早期退職でも年金を増やす方法として年金を繰り下げ受給することと国民年金基金を利用して基礎年金に上乗せすることを説明します。
年金を繰り下げ受給する
「年金の繰り下げ受給」とは、老齢基礎年金を65歳から受けることができる制度を70歳まで遅らせることによって、受給額を増やすことができる制度です。
年金受給額の増加率は大きく、1年で8.4%増加し、5年繰り下げると受給額が42%増加します。
例えば、70歳から繰り下げ受給した場合を考えます。
満額で月の受給額が約65,100円とすると、受給額は約92,500円となります。
では、65歳から受給した場合と繰り下げた場合では、どちらが得かというと、分岐点は82歳です。
つまり、82歳以上長生きした場合、70歳になってから年金を受給した場合の方が受給額の合計は増えていくことになります。
年金を受給せずに70歳まで生活費を確保できれば、将来を見据えてさらに備えをすることができます。
国民年金基金を利用して基礎年金に上乗せする
第1号被保険者や任意加入被保険者(65歳以上の人を除く)は、定額保険料に追加の保険料を支払うことで、受け取る年金額を増やすことができます。
追加保険料は月400円で、市役所や町村役場、または年金事務所の窓口で申し込むことができます。
追加保険料を支払うことで、将来の老齢基礎年金に、年間200円×付加保険料納付月数の追加年金が加わります。
まとめ
50歳で3,000万円を持つ人がセミリタイアする場合、もしその人が労働収入を得られるなら、その水準は達成可能で十分であることがわかりました。
しかし、リタイア前に生活が破綻しないよう、事前に綿密な計画を立ててセミリタイアに向けて動き出す必要があります。
今回の記事が皆様の早期退職に関する理解を深めるきっかけになれば幸いです。
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