国民年金保険料を追納した場合の節税効果シミュレーション

令和5年度中に追納する場合の追納保険料額は以下の表のとおりになります。

追納保険料額
平成25年度の月分 15,220円
平成26年度の月分 15,370円
平成27年度の月分 15,700円
平成28年度の月分 16,360円
平成29年度の月分 16,570円
平成30年度の月分 16,410円
令和元年度の月分 16,460円
令和2年度の月分 16,570円
令和3年度の月分 16,610円※
令和4年度の月分 16,590円※
合計 161,860

※追納加算額なし

この全額を追納した場合、合計金額分の社会保険料控除を受けることが可能です。

それぞれの状況に合わせて、どれくらい節税になるのかを計算してみましょう。

所得税率5%・住民税率10%のケース

追納分の納付年金額は161,860円であり、ここに所得税率5%と住民税率10%を乗じることでどの程度節税効果があるのかを計算することができます。

161,860 × (5%+10%)= 24,279円

よって、所得税率5%・住民税率10%のケースでは、追納することで24,279円の節税になります。

なお、所得税率5%という水準は、課税所得が1,000円 から 1,949,000円までの方に摘要されます。

所得税率20%・住民税率10%のケース

同様に、所得税率20%・住民税率10%のケースについても計算してみましょう。

161,860 × (20%+10%)= 48,558円

よって、所得税率20%・住民税率10%のケースでは、追納することで48,558円の節税になります。

なお、所得税率20%という水準は、課税所得が3,300,000円 から 6,949,000円までの方に摘要される水準です。

所得税率23%・住民税率10%のケース

さらに、所得税率23%・住民税率10%のケースについても計算してみましょう。

161,860円 × (23%+10%)= 53,414円(小数点以下切上げ)

よって、所得税率23%・住民税率10%のケースでは、追納することで53,414円の節税になります。

なお、所得税率23%という水準は、課税所得が6,950,000円 から 8,999,000円までの方に摘要される水準です。

このように、課税所得額が大きい方ほど、追納による節税効果は大きくなります。

追納で所得税・住民税はいくら安くなる?〜年収400万円の場合のシミュレーション〜

ここからはより具体的に、東京都に住む独身年収400万円の方が追納した場合にはどの程度節税効果があるのかをシュミレーションしていきます。

追納しない場合のシミュレーション

まずは、前提となる追納しない場合について所得税額と住民税額を計算していきます。

課税所得は「年収-基礎控除-給与所得控除-社会保険料控除(その他の控除)」で計算します。

なお、社会保険料控除は60万円と仮定します。

所得税の基礎控除は480,000円、給与所得控除は1,240,000(収入金額 × 20% + 440,000円)となるので、課税所得は、4,000,000円 – 480,000円 – 1,240,000円 – 600,000円と計算して、1,680,000円となります。

よって、所得税率は速算表により5%と計算できるので、84,000円と求められます。

東京都に住む場合、住民税として都民税(4%)と区市町村民税(6%: 23区内に済んでいる場合は特別区民税と名称が変わりますが同じです)がかかります。

さらに、平成26年度から令和5年度までの10年間に限り「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」(平成23年12月2日法律第118号)が摘要されるので、5,000円の税額がプラスされます。

よって、住民税額は以下のように計算することができます。

なお、住民税の基礎控除額は43万円です。

4,000,000-430,000-1,240,000-600,000円 = 1,730,000円

よって、住民税額は1,730,000円 × 10%=173,000円、これに5,000円がプラスされて、合計178,000円が住民税額となります。

追納した場合のシミュレーション

話を簡単にするために、国民年金保険料を30万円分追納した場合にどの程度節税効果があるのかをシュミレーションしていきます。

先の例で示したように、課税所得は1,680,000円であるので追納分の300,000円が所得から全額控除されます。

したがって、課税所得額は1,680,000円 – 300,000円となるので、1,380,000円と計算され、1,380,000円に5%を乗じた金額(69,000円)が、追納した場合に収めるべき金額となります。

よって、所得税については、84,000円 – 69,000円=15,000円の節税となることがわかります。

さらに、住民税についても計算していきましょう。

住民税については、課税所得額が1,730,000円 – 200,000円=1,530,000と計算することができるので、これに10%を乗じた金額(153,000円)に加え5,000円を追加した158,000円が住民税額となります。

よって、住民税額は178,000円 – 158,000円=20,000円の節税となることがわかります。

結局追納した方が得なの?損なの?

国民年金保険料を追納するか否かは、個人の経済状況や将来への見通しそして年金制度自体への信頼度によって変わります。

追納の最大のメリットは、年金の受給資格を確保し将来受け取る年金額を増加させることが期待される点です。

特に、未納期間がある場合、追納を通じて受給資格を得たり老齢時の経済的な安定を図ることができます。

しかし、一方で追納は即時の出費となります。

現在の経済的な余裕がない場合、この出費は負担と感じるかもしれません。

さらに、将来の年金制度の変動や経済状況の変化により、追納による投資が期待したリターンをもたらさない可能性も考慮する必要があります。

また、追納に使う資金を他の方法で投資や節約に回すことで、より良いリターンを得ることができるかもしれません。

総じて、国民年金の追納については現在の財政状況や将来のライフプラン、そして国民年金制度自体への期待や信頼感を基に、慎重な判断を下すことが求められます。

不安な点や疑問点があれば、専門家の意見を求めるのも一つの方法です。

まとめ

国民年金保険料の追納を行うと、その金額は所得税や住民税からの社会保険料控除の対象となります。

この控除額は、追納された金額や納付した年度、さらには個人の所得の状況によって異なります。

具体的な控除額を確認するためには、追納金額や年収などの詳細を入力してシミュレーションを行う必要があります。

また、この控除を受けるためには、確定申告時や給与の年末調整時に追納に関する必要な手続きや書類の提出が要求されます。

以上の内容を踏まえ、国民年金の追納を考える際には、税務上のメリットや手続きにも注意を払うことが大切です。


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